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経営者に知ってほしいがんの知識/第50回 乳岩家康

がんのコラム 2021年3月4日

触ってみると分かりますが、がんは岩のように硬い塊です。がん細胞は、分裂速度が非常に速い(と言っても、たった1つのがん細胞が診断可能な1センチ大にまで成長するには20年という年月がかかります)ため、細胞の密度が高くなるからです。

がんを英語で、蟹(かに)や蟹座を意味するCancer(キャンサー)と呼ぶのもがんが硬いからで、蟹といっても、毛ガニではなく、ごつごつとしたタラバガニのイメージです。

医学の父と呼ばれる、古代ギリシャの名医ヒポクラテスが、進行した乳がんが蟹の甲羅のように硬いことから、「カルキノス(蟹)」と名付けたことに由来します。日本初のがん専門の研究機関である公益財団法人がん研究会(創立1908年、明治41年)も蟹をシンボルマークとして使っています。

江戸時代には「乳がん」を「乳岩」と書くこともありました。四谷怪談の「お岩さん」も、頬の奥にできる上顎がんだったと思われます。診断法も治療手段もなかったため頬の皮膚にまで岩のようながんが顔を出してしまったのでしょう。

1895年、レントゲン博士がエックス線を発見し、身体の内部を観察できるようになりました。それまでは、肺がんや胃がんといった病名は存在せず、がんといえば、洋の東西を問わず、見て触れることができる乳がんを指していました。なお、江戸時代の医学者、華岡青洲は1804年、トリカブトなどの薬草を調合した「通仙散」を使って、世界で初めて、全身麻酔による乳がんの手術を行っています。

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