損益計算書の見方を押さえよう

財務力を鍛えたい 2020年11月26日

損益計算書で何が分かるの?

財務諸表は、会社の一定期間の経営成績や決算期末時点の財政状態などを表すものです。財務諸表を見れば、「会社がどの程度利益を上げているのか」「借入金がどの程度あるのか」「資金に不足はないのか」などが分かります。

代表的な財務諸表として「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュ・フロー計算書」があります。この記事で注目するのは損益計算書です。

損益計算書には、会社の一定期間(通常は1年間)の経営成績が示されています。この経営成績は、売上高や受取利息など、会社の収入を示す「収益」から、仕入高や人件費など、収益を得るために要した「費用」を差し引いた期間利益として計算されます。損益計算書は、会社の一定期間の活動の成果の記録ということができます。

損益計算書を見てみよう

1)損益計算書の全体像

ここで、架空のA社の損益計算書を見てみましょう。

損益計算書を読む際は、網掛け表示部分の「売上高」「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の6つの利益の概要を理解することが大切です。

これらは、会社の収益や利益を示すものであり、経営者や利害関係者などが損益計算書を読む際に注視する、とても重要な数値です。

2)売上高

売上高は、製品・サービス(以下「商品」)の販売を通して得られた収益の総額です。A社の売上高は10億円となっています。売上高は、自社の商品がどれだけ売れているかを示すものであり、会社の収益力を見る上で、最も分かりやすい数値の1つです。

3)売上総利益(売上高-売上原価)

売上総利益は、売上高から売上原価を差し引いて算出される利益です。A社の売上総利益は5億円となっています。

売上原価は、商品の仕入や仕入に要した費用です。厳密に言えば、当期の売上高に対応する部分を当期の売上原価として計上します。例えば、期末棚卸高は翌期以降の売上原価を構成することになるため、当期の売上原価には含まれません。

売上総利益を売上高で割ることにより、売上高に占める売上総利益の割合「売上総利益率」を算出されます。A社の売上総利益率は50.0%です。

4)営業利益(売上総利益-販売費及び一般管理費)

営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いて算出される、会社の本業による利益です。A社の営業利益は2億円となっています。

販売費及び一般管理費は、人件費、水道光熱費、広告宣伝費、減価償却費などの諸経費です。

営業利益を売上高で割ることにより、売上高に占める営業利益の割合「営業利益率」が算出されます。A社の営業利益率は20.0%です。

5)経常利益(営業利益+営業外収益-営業外費用)

 経常利益は、営業利益に営業外収益を加え、営業外費用を差し引いた利益です。会社の本業以外の投資活動や財務活動による採算まで勘案した利益です。A社の経常利益は1億5000万円となっています。

営業外収益・営業外費用は、会社の本業以外の投資活動や財務活動によって生じた収益と費用です。営業外収益には預貯金の受取利息や受取配当金などが含まれます。また、営業外費用には支払利息などが含まれます。

経常利益を売上高で割ることにより、売上高に占める経常利益の割合「経常利益率」が算出されます。A社の経常利益率は15.0%です。

6)税引前当期純利益(経常利益+特別利益-特別損失)

税引前当期純利益は、経常利益に特別利益を加え、特別損失を差し引いた利益です。A社の税引前当期純利益は1億円となっています。

特別利益・特別損失は、会社の経常的な業務内容とは関係のない部分で、臨時的、偶発的に発生した利益と損失です。特別利益には固定資産売却益などが含まれます。また、特別損失には自然災害や訴訟による損失などが含まれます。

7)当期純利益(税引前当期純利益-法人税、住民税及び事業税)

当期純利益は、税引前当期純利益から法人税、住民税及び事業税を差し引いた会社が処分可能な最終利益です。会社の財務体質を強化するための内部留保に充てられたり、新たな成長のための設備投資に使われたりします。A社の税引後当期純利益は7000万円となっています。

当期純利益を売上高で割ることにより、売上高に占める当期純利益の割合「当期純利益率」が算出されます。A社の当期純利益率は7.0%です。

以上
(監修 税理士法人アイ・タックス 税理士 山田誠一朗)

※上記内容は、本文中に特別なことわりがない限り、2020年6月25日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

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