キャッシュ・フロー計算書の基本構造を理解しよう

財務力を鍛えたい 2016年3月17日

キャッシュ・フロー計算書で何が分かるの?

財務諸表は、会社の一定期間の経営成績や決算期末時点の財政状態などを表すものです。財務諸表を見れば、「会社がどの程度利益を上げているのか」「借入金がどの程度あるのか」「資金に不足はないのか」などが分かります。

代表的な財務諸表として「損益計算書」「貸借対照表」「キャッシュ・フロー計算書」があります。この記事で注目するのはキャッシュ・フロー計算書です。

キャッシュ・フロー計算書には、会社の現金の流れ(キャッシュ・フロー)が、営業活動、投資活動、財務活動の3つの活動ごとに示されています。

  1. 営業活動によるキャッシュ・フローは商品の販売などの営業活動を通じたキャッシュの流出入を示します。
  2. 投資活動によるキャッシュ・フローは、各種資産の取得や売却などによるキャッシュの流出入を示します。
  3. 財務活動によるキャッシュ・フローは、資金の借り入れや返済などによるキャッシュの流出入を示します。

キャッシュ・フロー計算書を読んでみよう

ここで、架空のA社のキャッシュ・フロー計算書を見てみましょう。

A社のキャッシュ・フロー計算書(間接法)

営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローとは、売上、仕入、経費など本業によるキャッシュの動きを示すものです。

営業活動によるキャッシュ・フローは税引前当期純利益に減価償却費など現金の支出を伴わない費用を加えたり、棚卸商品の増加分を引いたり、資産及び負債の増減や法人税等の支払いなどその他の収入支出を加減して算出します(間接法の場合。直接法については割愛します)。

売掛金のようにまだキャッシュが流入していない場合はマイナスになります。一方、買掛金のようにキャッシュが流出していない場合はプラスになります。

A社の場合、税引前当期純利益が10億円で減価償却費や資産及び負債の増減、その他による収入支出を加減して算出された営業活動によるキャッシュ・フローはプラス14億円となっています。

投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローとは、固定資産、有価証券の取得・売却などに伴うキャッシュの動きを示すものです。

自社ビルや工場を建設するなどの設備投資をした場合にはマイナスになります。一方、所有する不動産を売却するなどした場合にはプラスになります。

有価証券および投資有価証券の増減は、有価証券および投資有価証券の取得による支出または売却による収入に関するキャッシュの流出入を示します。

A社の場合、貸し付けによる支出が2億円、有形固定資産取得による支出が7億円、投資有価証券取得による支出が3億円で、投資活動によるキャッシュ・フローはマイナス12億円となっています。

財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローとは、借入、返済、増資などの資金調達・返済などのキャッシュの動きを示すものです。

借入、社債や株式の発行により資金を調達した場合にはキャッシュが増加し、借入の返済、社債の償還、配当金の支払いをした場合にはキャッシュが減少します。

A社の場合、短期借入による収入が1億3000万円、長期借入による収入が2億5000万円、長期借入金の返済による支出が1億円で、財務活動によるキャッシュ・フローはプラス2億8000万円となっています。

現金及び現金同等物の増加額

現金及び現金同等物の増加額とは、当期中の資金の増減額であり、A社の場合プラス4億8000万円となっています。

この値は、営業キャッシュ・フロー、投資キャッシュ・フロー、財務キャッシュ・フローを足し合わせることで算出されます。この値がプラスであれば、会社が保有するキャッシュが増えていることを示します。

現金及び現金同等物の期首残高

現金及び現金同等物の期首残高とは、期首時点に会社が保有するキャッシュの残高です。A社の場合、2億円となっています。

現金及び現金同等物の期末残高

現金及び現金同等物の期末残高とは、期末時点に会社が保有するキャッシュの残高です。A社の場合、6億8000万円となっています。

以上
(監修 TOMAコンサルタンツグループ(株) 公認会計士 辻田晋作)

※上記内容は、本文中に特別なことわりがない限り、2016年3月2日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

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