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目標達成に必要な『武士』の価値観/朝礼スピーチ

経営者としての見識を深めたい 2016年3月11日

目標達成に必要な『武士』の価値観

私が常に行動のよりどころとしている書籍に新渡戸稲造氏の『武士道』があります。命よりも「義」「礼」「仁」などを重んじる武士の価値観は、いつ死ぬか分からないという状況の中で生まれたのかもしれません。

現代を生きる私たちがかつての武士と同じ価値観を持つことはできないでしょう。しかし、「明日死んでも後悔しないように、自分が信じる道を精一杯生き抜く強い意志」があれば、今よりも前向きな気持ちで活動できるはずです。

先日、私が通っていたビジネススクールの講師と会食する機会がありました。その講師は東証一部上場の日本を代表する企業に勤めていて、周囲の評価も高く、将来を嘱望されている人物です。私は、その講師はこのまま出世街道をひた走り、役員になるのだろうと勝手に思っていました。ところが、その講師から意外な発言があったのです。その講師は、来月にその会社を辞めて独立するというのです。「なぜですか?」と尋ねてみると、次のように教えてくれました。「自分が死んだときのことを想像してみたのです。そして、もう一度生まれ変わっても今の会社で働きたいかを何度も何度も自分に確認したのです。答えはノーでした。厳しい選択であることは承知の上ですが、私は、自分の信じる道を進んでいきたいのです」

この話を聞いて、私は『武士道』を思い出しました。その講師は、自分が信じた道を真っすぐ進むために、明日死んでも後悔しないという覚悟を持って新たな一歩を踏み出そうとしているのです。

私にも、「この会社を一流にする」という、自分の信じた目標があり、そのために「執念」を燃やしています。執念というと、暗く思い詰めた印象があるかもしれませんが、要は「自分と皆さんを信じ、雑念を取り払い、ひたむきに努力する」ということです。

皆さんにも目標があります。その目標は、期首に皆さんが「これだ!」と信じて立てたものです。もうすぐ今年度も半分が終わろうとしています。反省すべきところは反省しながら、ぜひとも、その達成に執念を燃やしてほしいのです。

ただし、自分を追い込みすぎてはいけません。追い込まれると視野が狭くなり、心の柔軟さが失われてしまいます。ですから、執念を持って目標達成を目指すときも、ちょっとした“遊び心”を忘れないでください。80歳にして3度目のエベレスト登頂に成功した三浦雄一郎氏が、頂上直前のキャンプで「お茶会」をしたことはよく知られるエピソードです。大記録の達成を前にお茶会をしたのは、自分を見つめ直し、心を静めるためだったそうですが、わざわざ荷物を増やしてまで行ったお茶会には、心の余裕と遊び心が感じられます。

強い覚悟と執念がなければ目標は達成できません。ただし、冷静さと同時に遊び心も必要です。それが、私たち、現代に生きる者にも必要な『武士』の価値観なのではないでしょうか。

以上

※上記内容は、本文中に特別なことわりがない限り、2016年2月29日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者 日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。 「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。

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