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5Sの「整頓」は、“誰でも分かる”が基本

経営者としての見識を深めたい 2021年10月29日

「整頓」とは何か

5Sにおける「整頓」とは、「業務に必要なものが、決まった場所に、決まった方法で保管してある状態にする」ことです。
整頓のポイントは、必要なものが、

  1. 必要なときにすぐに取り出せる
  2. 誰でも容易に取り出せる
  3. 容易に元の場所に戻せる

ようにすることです。効率性・視認性・安全性などを考慮に入れ、保管場所・レイアウト・保管方法を検討しましょう。
整頓することで、「ものを探す」という無駄な行動をなくすことができます。

整頓するものに優先順位をつける

整頓する対象物に優先順位をつけると、作業がスムーズに進みます。考え方はさまざまですが、優先順位のつけ方の例は次の通りです(優先順位は1.が最も高く、3.が最も低くなります)。

  1. 危険なもの:重いもの・鋭利なもの・長いものなど、使用する際や移動する際に危険を伴うもの。
  2. サイズが多数あるもの:ボルト・ナット・クギ・レンチ・ドライバー・スパナなど、形状は似ているがサイズが多数存在するものは、使用する際、探し出すのに時間がかかる上、サイズが違うと使用できない。
  3. 見た目が似ているが用途が異なるもの:接着剤・研磨剤・塗料・建築素材など、見た目が似ているものは、用途を間違えると、大きな事故やクレームにつながることもある。

他との区別が容易な工具、代替が利く道具(鉛筆やメモなど)、資料などは優先順位を低くしておき、時間があったら整頓するとよいでしょう。

整頓は各自で行う

自分が使うものの整頓は、基本的に自分で行います。道具を整頓する場合、見た目をきれいに並べるだけでは意味がありません。作業効率や使用頻度などを十分考慮に入れた上で整頓する必要があります。また、自分できちんと整頓すると不思議と愛着が湧き、いつもきれいに使おうという意識が生まれます。

ただし、忘れてはならないのは、5Sにおける整頓には、冒頭で言ったように「誰でも容易に取り出せる」という要素が入っていること。「自分だけが分かっている」では、整頓する意味がありません。たとえ自分だけが使用する道具であっても、他人が使用することを考え、誰でもすぐ分かるような整頓を心掛けましょう。

整頓のポイント

整頓にはいくつかのポイントがあります。整頓が苦手という人でも、ここで紹介するポイントに従って行えば、きちんとした整頓ができます。日々の作業を通じて使い勝手の悪さや改善点をメモし、徐々に使いやすい整頓方法にしていきましょう。

1)ベンチマーク

大手小売業の展示方法には、さまざまな工夫が盛り込まれています。気に入っている小売業の店舗に行き、サイズ別・色別・用途別・素材別に陳列されている棚を参考にするとよいでしょう。
例えば、コンビニエンスストアやホームセンターなどでは、商品群の位置・ゴールデンゾーン・什器(じゅうき)の配置・通路の確保・表示法・見える化の実践など、限られたスペースを有効活用するさまざまな工夫が見られます。

2)見える化

使用頻度やサイズによって整頓した後は、品目の一覧表を見やすい位置に大きく表示しておく・棚を色分けしておくなど、誰が見てもその内容が分かるように「見える化」をします。

3)指定席化

決まったところに決まったものを置くことを念頭に、頻繁に使うものは取り出しやすい位置に、あまり使わないものは足元近くや高い位置に置くなど、スペースを有効活用した整頓をします。

4)標準化

棚や箱、容器などは標準化し、取り出しやすく、片付けやすいように工夫します。同じ容器であっても、表示をきちんとしておけば混乱することはありません。また、蓋はものを探す際に邪魔になるため、必要なもの以外は蓋を外しておくと時間的なロスが少なくなります。

5)手元化

使用頻度の高い工具や頻繁に更新されるデータなどは、手が届くような位置に置いておきます。使用者が多い部品などは、それぞれの使用者の手元に置いておくなど、状況に応じた工夫をします。

整頓は、常に改善と工夫が求められる

整頓は、整理以上に終わりがありません。全てのものの整頓が終わっても、仕事の変化や自身のスキル向上などによって、常に改善と工夫が必要になります。逆に言えば、一度整頓されたものに対して何の改善点も提案できないのであれば、その人自身に何の成長も発展もないということになります。整頓を、作業の効率化のみならず、自身の成長を測るバロメーターとして使ってみるのも面白いのではないでしょうか。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2021年10月6日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。 「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。

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