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5Sの「整頓」は、“誰でも分かる”が基本

経営者としての見識を深めたい 2016年3月9日

「整頓」の意味とは何か

5Sのスタートラインである「整理」と対を成しているのが、この「整頓」です。5Sにおける「整頓」のポイントは次の通りです。

  1. 必要なものが必要なときにすぐに取り出せる
  2. 誰でも容易に取り出せる
  3. 容易に元の場所に戻せる

これを全て満たすこと、つまり「仕事で使うものが、いつも決まった場所に、決まった保管方法で、コンパクトに収納してある状態にする」ことが、5Sにおける「整頓」です。具体的には、使用する器具などを効率性・視認性・安全性などを考慮に入れた場所・レイアウト・方法で保管しておくことです。

整頓するものに優先順位をつける

膨大な量のものを整頓する際は、ある程度の工夫をしないと、ものの位置を変えるだけで終わってしまうこともあります。そこで、整頓する対象物に次のように優先順位をつけ、高いものから整頓を行うと、作業がスムーズに進みます。

逆に、他との区別が容易な工具、代替がきく道具(鉛筆やメモなど)、資料などは整頓していなくても作業に与える影響は比較的小さいため、優先順位を低くしておき、時間があったら整頓を行うとよいでしょう。

整頓する際に優先すべきものの例は次の3つです。

  1. 危険なもの:重いもの・鋭利なもの・長いものなど、使用する際や移動する際に危険を伴うもの。
  2. サイズが多数あるもの:ボルト・ナット・クギ・レンチ・ドライバー・スパナなど、形状は似ているがサイズが多数存在するものは、使用する際、探し出すのに時間がかかる上、サイズが違うと使用できない。
  3. 見た目が似ているが用途が異なるもの:接着剤・研磨剤・塗料・建築素材など、見た目が似ているものは、用途を間違えると、大きな事故やクレームにつながることもある。

整頓の手順~効果的な8つのステップ~

定置とは、「置き場所」「保管方法」「表示方法」の3つによって構成されている、整頓の最も大切な手法のことを指します。この定置の考え方を基に、整頓の手順をまとめると次のようになります。

ステップ1:整頓対象を決める
ステップ2:置き場所を決める
ステップ3:保管方法を決める
ステップ4:表示方法を決める
ステップ5:整頓一覧表を作成する
ステップ6:整頓に必要なツールを作成する
ステップ7:実施日を決める
ステップ8:整頓を定着させる

整理が年に数回行えばいいのに対し、整頓は毎日行っていかなければなりません。そのため、整理に比べ、より具体的かつ詳細な計画に基づいて進めていく必要があります。以降では、整頓のポイントや具体例を紹介します。

整頓は各自で行う

自分が使うものの整頓は、基本的に自分で行います。道具を整頓する場合、見た目をきれいに並べるだけでは意味がありません。作業効率や使用頻度などを十分考慮に入れた上で整頓する必要があります。また、自分できちんと整頓すると不思議と愛着が湧き、いつもきれいに使おうという意識が生まれる効果があります。

ただし、忘れてはならないのは、5Sにおける整頓には、冒頭で言ったように「誰でも容易に取り出せる」という要素が入っていること。「自分だけが分かっている」では、整頓する意味がありません。たとえ自分だけが使用する道具であっても、他人が使用することを考え、誰でもすぐ分かるような整頓を心がけましょう。

整頓のポイント

整頓にはいくつかのポイントがあります。整頓が苦手という人でも、ここで紹介するポイントに従って行えば、きちんとした整頓ができます。日々の作業を通じて使い勝手の悪さや改善点をメモし、徐々に使いやすい整頓方法にしていきましょう。

1)ベンチマーク

大手小売業の展示方法には、さまざまな工夫が盛り込まれています。気に入っている小売業の店舗に行き、サイズ別・色別・用途別・素材別に陳列されている棚を参考にするとよいでしょう。

特にコンビニエンスストアは、商品群の位置・ゴールデンゾーン・什器の配置・通路の確保・表示法・見える化の実践など、限られたスペースを有効活用するさまざまな工夫が見られます。

2)見える化

使用頻度やサイズによって整頓した後は、品目の一覧表を見やすい位置に大きく表示しておく・棚を色分けしておくなど、誰が見てもその内容が分かるように「見える化」をします。

3)指定席化

整頓のコツは、決まったところに決まったものを置いておくことです。頻繁に使うものは取り出しやすい位置に、あまり使わないものは足元近くや高い位置に置くなど、スペースを有効活用した整頓をすると効率的です。

4)標準化

棚や箱、容器などは標準化し、取り出しやすく、片付けやすいように工夫します。同じ容器であっても、表示をきちんとしておけば混乱することはありません。また、蓋はものを探す際に邪魔になるため、必要なもの以外は蓋を外しておくと時間的なロスが少なくなります。

5)手元化

使用頻度の高い工具や頻繁に更新されるデータなどは、手が届くような位置に置いておきます。使用者が多い部品などは、それぞれの使用者の手元に置いておくなど、状況に応じた工夫をすると効率的です。

整頓は、常に改善と工夫が求められる

整頓は、整理以上に終わりがありません。全てのものの整頓が終わっても、仕事の変化や自身のスキル向上などによって、常に改善と工夫が必要になります。逆に言えば、一度整頓されたものに対して何の改善点も提案できないのであれば、その人自身に何の成長も発展もないということになります。整頓を、作業の効率化のみならず、自身の成長を測るバロメーターとして使ってみるのも面白いのではないでしょうか。

以上

※上記内容は、本文中に特別なことわりがない限り、2016年3月16日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。 「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。

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