守屋淳の、渋沢栄一から経営者への手紙/ 渋沢栄一の生涯(6)
経営者としての見識を深めたい 2016年11月7日
成長が必須になった近代
筆者が地方で講演会などをしたあとに、中小企業の社長さんから、こんな質問を受けることがあります。
「企業っていうのは、成長し続けないといけないものなんですかねえ」
経済の専門家でもない筆者に何か特別の知恵があるわけではなく、逆に「どう思われますか」と尋ね返すと、こんな答えが返ってきたりします。
「別に成長しなくても問題ないと思うんだけどねえ、ただしモチベーションの維持がちょっと難しくなるかな」
この点、みなさんは、どう思われるでしょうか?
渋沢栄一の唱えた「論語と算盤」や「道徳経済合一説」という言葉は、いろいろな切り口で解釈することができますが、その一つに、この問答にあらわれている「永続と成長」の問題があります。