経営者としての見識を深めたい

2016年12月4日

守屋淳の、渋沢栄一から経営者への手紙/ 渋沢栄一の生涯(7)

リーダーシップ 渋沢栄一

bp100034

「非政府系」「非財閥系」の優良企業だらけの日本

第二次世界大戦後、アジアの多くの国々が「近代化=西欧化」を果たしていきました。しかし、日本のように層の厚い実業界、多様な資本主義を築けた国というのは、他にほとんどありませんでした。

日本を含め、ヨーロッパに倣って「近代化=西欧化」しようとする国々では、「開発独裁」といわれる現象が往々にして起こります。手持ちの限られた資源を、自国の国際競争力のありそうな産業に政府が集中投下し、育てて、それをテコに実業界や資本主義を育てようとしたわけです。

日本でも、政府が主導した明治期の「殖産興業」はこの事例の典型でした。しかし、こうしたやり方では、最終的には「政府系企業」と「財閥」しかなかなか育ってくれないという問題が残ります。お隣の韓国なども、この点で問題を抱えている面がある訳です。

ところが日本だけは「非政府系」「非財閥系」の素晴らしい企業が輩出されました。だからこそ、どの国よりも分厚い実業界、資本主義を築き得て、自力で近代化を果たすことが出来たわけです。

もちろん、その最大の理由は、渋沢栄一という偉人がいて、財閥などを一切作らず、金融機関が民間の資金を預かり、それをうまくまわすことによって、多様な企業や産業を育てたからに他なりません。そして、実はもう一つ、これを実現し得た大きな理由があるのです。そして、ここにも彼の「論語とそろばん」の思想が大きくかかわってきます。

まず少し歴史を遡って、なぜヨーロッパが一九世紀以降に、他国に「近代化=西欧化」を押しつけられるほどの強大な存在になれたのか、に触れてみましょう。

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