経営者としての見識を深めたい

2017年5月1日

経営という仕事/小宮一慶の「経営者の条件」(2)

リーダーシップ 経営者

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「経営」という独立した仕事がある

経営者の仕事は「経営」です。中小企業の場合は、経営者も現場での仕事をしなければなりませんが、それでも経営者が経営を行わなければ、会社はおかしくなります。私も全員で11人の小さな会社の経営者をやっています。コンサルティングや講演などの現場での仕事ももちろんやっていますが、それでも、経営を行っています。

経営という仕事は、次の3つの要素から成り立っていると私は考えています。1.企業の方向づけ、2.資源の最適配分、3.人を動かす、の3つです。経営者は、経営とは何かということをきちっと理解したうえで、それぞれの能力を高めなければなりません。

私は、自分では「経営者のコーチ」だと思っていますが、経営が成功するためには、「正しい努力の積み重ね」が必要です。プロのサッカー選手になりたい人が、毎日卓球を10時間必死で練習しても、Jリーガーにはなれません。それと同じように、経営者として成功するためには、それにふさわしい訓練が必要なのです。私たちの仕事は、経営成功のための「正しい努力」とは何かをお教えすることだと思っています。そして、あとはそれを積み重ねる。コピー用紙1枚1枚の厚さは0.1ミリあるかないかですが、それが500枚、1000枚と積み重なれば、5センチ、10センチの厚さとなります。皆さん経営者は、正しい努力とは何かを知って、それを積み重ねていくことが必要なのです。

もうひとつ大切なことは、経営は実践です。頭で理解していても結果を出さなければ誰も評価しません。逆に、結果が出ないときは、やり方が間違っているのではないかと素直に反省することです。

「方向づけ」の能力を高めるには新聞を読む

方向づけとは、「何をやるか、やめるか」を決めることです。企業でコントロールできない「外部環境」と、自社と他社との相対的な強みや弱みを比較する「内部環境」を分析したうえで、ミッションやビジョン、理念に合わせて、やるべきこと・やめるべきことを決めることです。これも言葉で説明するのはそれほど難しくありませんが、実践はとても難しいのです。

経営を「管理」だと思っている人もいるのではないでしょうか。もちろん管理も重要な要素ですが、管理は部長以下でもできる仕事です。経営の本質は「方向づけ」なのです。方向づけを間違って、完璧な管理を行うと、崖っぷちに早く到達するだけです。

方向づけを適切に行うために、私が経営者たちに薦めているのは、新聞を読むことです。それも、1面のトップ記事や、リード文といって全体を5、6行でまとめている文章が載っているような大きな記事は、自分に関心がなくても、リード文だけでも全てに目を通すことが必要です。

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