経営者としての見識を深めたい

2017年7月31日

お客さま志向の「小さな行動」を徹底する/小宮一慶の「経営者の条件」(4)

リーダーシップ 経営者

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「小さな行動」を徹底することが働きがいを生み、高収益企業を作る

私の長年のお客さまで、「会社に行くのが楽しいので早く朝が来ないか待ち遠しい」という若い社員がいる会社があります。その会社では工具を使う仕事をしているのですが、中には夜に工具を磨いて朝早く出社して、車をピカピカに磨いてお客さまに出向いていく人もいます。

その会社も、以前はそれほどでもなかったのですが、社長が社員に「お客さま志向の小さな行動」を徹底させたことで会社が大きく変わりました。現場仕事が多く、結構きつい仕事なのですが、離職率も格段に下がり、もちろん、2年に一度全社員を海外研修に連れていくほどの高収益企業です。昨年は、パリとメルボルンとハワイに分かれて行きました。

具体的にどういうことをやっているのかというと、140人ほどの全社員に、各人の「お客さま志向の小さな行動」の目標を毎月立ててもらい、それをシートに記入します。例えば、「現場で作業が終わった後、その周りを5分間掃除する」、「今まで3コールで取っていた電話を、2コールで取る」など、あくまでもお客さまのためになる小さな目標を設定するのです。売り上げ目標など、お客さまと関係のない目標の設定は禁止されています。そして、月末に、各人がその目標の達成度合いを5段階評価し、上司も同様に評価し、そのときに、部下と上司が面談をし、反省や来月の目標を立てます。そして、そのシートを、役員や社長が全員分を毎月見てコメントをすることを繰り返しています。もちろん、全員が全ての目標をクリアできるわけではありませんから、その場合は、前月の目標を再度やり直すということもあります。

もう、この会社ではこのような毎月の目標設定を始めて10年くらいになりますが、最初はもちろん、抵抗勢力がありました。社長の命令ですから、やらないわけにはいきませんが、やっている格好だけをしている人もいました。しかし、お客さまに喜んでいただく喜びを知れば、そういう抵抗勢力の人でも、熱心に「小さな行動」をやるようになるようで、中には「仕事の喜びに目覚めた」という人も少なくありません。そのためには、とくに始めた最初は、社長や幹部が根気強く、続けさせていくしかありません。

お客さまに喜んでいただくことが、働く喜びを知り、モチベーションを高める最高の特効薬なのです。いまでは、その会社では「お客さまが喜ぶこと」に加えて「働く仲間が喜ぶこと」、「工夫」といった、私が言う「良い仕事」の3つを毎月の目標として設定しています。

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