経営者としての見識を深めたい

2018年3月19日

徹底で業績に大きな差が生まれる/小宮一慶の「経営者の条件」(11)

リーダーシップ 経営者

bp100057

まずは「現事業の業績向上」

ピーター・ドラッカーは、経営者が行うこととして、まず「現事業の業績向上」を挙げています。地域的拡大や商品のターゲット層の拡大などの「機会の追求」や「新規事業」も行わなければならないのですが、まずは、既存事業での業績向上を行うべきだということです。たとえ、現事業が独禁法ぎりぎりまでシェアを持っていたとしても、それでもコスト削減などで、業績を伸ばすことができます。

私はドラッカーが言いたかったことは「徹底」ではないかと考えています。現事業で「徹底」ができない企業は、地域的拡大や新規事業を行っても、やはりそれほどうまくいかないのではないかと考えています。同業他社で、同じような戦略を取っている企業でも、業績に大きな差が出るのは、やはり社風としての「徹底」の差が大きいでしょう。また、同一部署内で同じような仕事をしている人でも、パフォーマンスに違いが出るのはやはり「徹底」の差が大きいのではないでしょうか。

そのことを説明するのにコンビニ業界がとても良い例だと私は思っています。

セブン-イレブンは同業他社より各店で毎日2割多く売る

セブン-イレブンは現在2万ほどの店舗があり、数でも他社を大きく引き離していますが、1店舗あたりの1日の売上げにおいても大きな差があるのです。セブン-イレブンの店が60万円台半ばの売上げであるのに対し、他のコンビニチェーンでは50万円台半ばという状況です。毎日各店で10万円程度の売上げの差があり、こういう状況が長い間続いています。

この差は、ここまでお話ししている「徹底」の差から生じているのだと私は思っています。コンビニ事業では、「品ぞろえ、鮮度、クリーンリネス(店の美しさ)、フレンドリーサービス」が成功のためのキーワードだと言われています。このことは、セブン-イレブンだけでなく、他のコンビニチェーンでも熟知していることです。それぞれのお店では、同じようなことを同じような立地で行っているわけです。それでも、セブン-イレブンと他チェーンでは、各店平均で毎日2割ほどの売上げが違っているわけです。

この記事は会員限定です。会員登録をして頂くと続きをお読み頂けます。

関連記事