健康経営®のコラム

2018年3月19日

経営者に知ってほしい健康経営/第12回 「健康経営銘柄」と企業価値

健康管理 健康経営®

私たちの健康は、形あるものではありません。健康はこのような形をしているものです、と表現することは不可能です。しかし、元気に、そして意欲的に働くことができれば、そして健康診断で医学的な異常がなければ一応健康と評価することができます。楽しい人生を送るには健康というしっかりとした土台が必要です。健康は無形財産であり、形のないものに投資効果が期待できるのでしょうか。

それでは企業の価値はどのように評価されるのでしょうか。また、企業ブランドとは、どのようなものなのでしょうか。いい商品を世の中に送り出し、長きにわたって多くの人が評価することで企業の価値が構築されることになります。また、退職した従業員が、「いい会社に勤めることができた。」と周りの人に言葉を発したのであれば、その人は幸せな会社生活を送ったであろうと、また、多くの人がきっといい会社なのであろうと、想像することでしょう。

弛みないこれらの積み重ねが、社会的にいい会社であるという評価につながっていくことになります。退職した多くの従業員の言葉は長年の会社生活から真実を物語っているように思います。いい会社は、いい商品を世に送り出し、健康な人をも社会に送り出すのでしょう。働きがいや生きがい、そして企業価値は目に見えないものではありますが、その評価は短期間でなされるものではありません。

経済産業省の「健康経営銘柄」は、企業ブランドを認証する制度であり、1業種1社のみの選定ですが、新たに設けられたホワイト500(健康経営優良法人)は、一定の評価基準をクリアできれば健康経営に取り組む企業として高い評価を得ることになります。中小規模企業においても「健康経営優良法人」として日本健康会議による評価がなされることになり、企業の健康への取り組みが社会的に周知されるようになりました。

経営者のメッセージは、従業員への経営者の考えの表明であり、また、社会への企業アピールで、虚言は許容されるものではありません。したがって、就職についても多くの人が経営者のメッセージに関心を持つことになります。

健康経営銘柄、健康経営優良法人制度で認定された企業は、労働者のみでは解決できない職場のいろいろな問題の解決の糸口となり、快適な職場環境や人間関係を構築することになります。従業員が評価する企業は、社会が評価する企業でもあります。つまり、そこには経営者という人の大きな力が注がれています。

企業ブランドは、人が創造するもので、形あるものではありませんが、形あるものより大きな力を持っています。多くの人が長年真摯に積み上げた無形財産は、確実に未来に向けて大きく成長していくものです。

以上

※「健康経営」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。
※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2018年3月12日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
特定非営利活動法人健康経営研究会 理事長 岡田 邦夫(おかだ くにお)

岡田先生

大阪市立大学大学院医学研究科卒業後、大阪ガス株式会社産業医、健康開発センター健康管理医長を経て平成8年より同社統括産業医に就任。特定非営利活動法人健康経営研究会理事長、プール学院大学教育学部客員教授健康スポーツ科学センター長、厚生労働省「職場のメンタルヘルス対策検討委員会」委員、文部科学省「教職員のメンタルヘルス対策検討会」委員、厚生労働省「ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取り扱いに関する検討会」委員、厚生労働省「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のあり方に関する検討会」委員などを歴任。
「健康経営のすすめ」社会保険研究所(共著)、「新版 判例から学ぶ従業員の健康管理と訴訟対策ハンドブック」法研(編著)、「これからの人と企業を創る健康経営」社会保険研究所(共著)、「健康経営推進ガイドブック」経団連出版、「ストレスチェック導入・運用サクセスガイド」メディカ出版など著書多数。
その他、大阪府医師会「健康スポーツ医学委員会」副委員長、一般財団法人大阪陸上競技協会理事、医事部部長、大阪マラソン医事・救護専門部会委員長、独立行政法人労働者健康福祉機構大阪産業保健総合支援センター産業保健相談員、日本医師会健康スポーツ医学委員会委員など。

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