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経営者に知ってほしい健康経営/第26回 働く人の健康が構築する企業ブランド -ワークリテラシー

健康経営®のコラム 2019年8月19日

ワークリテラシー(ワーク=仕事、リテラシー=知識、業務遂行能力)は、与えられた仕事を正確にかつ一定のレベルで遂行できる能力を持っていることを意味しています。

インプットとアウトプットのエネルギーのバランスによって体重の増減が決定されることになりますが、同じ食事内容であっても、食べる時間(早食いかどうか)、食事の時間(いつ食べるか)、食べる順序(何から食べるか)などによっても体重の増減に差が出てくる可能性があります。

これらの知識を有し日々実行することで、同じものを食べていても、長年の積み重ねで体重の増減に差がもたらされることになります。仕事についても、まず知識がなければ仕事の内容や進め方が理解できません。

つまり、入社後の新人研修が重要であり、その後の仕事の仕方、拡大解釈すれば働き方に大きな差が出てくる可能性があります。ルーティンワークが日々きちんとこなせるように上司が指示、指導することで時間内に一定の業務量をこなせるようになり、その上に、突発的な業務や今までに経験のない業務内容についても上司の簡単な指示でできるようになります。さらに、OJT(On the Job Training)が加われば、仕事に対する自信がもてるようになるのではないでしょうか。

経営者や管理監督する立場にある上司は、当然のことと思っていることであっても、部下に懇切丁寧に指導することで、部下は仕事のコツを覚え、その結果、仕事の全体像を見渡せるようになり、与えられた職務を俯瞰することができるようになり、結果として高い位置から仕事をすることができるようになります。

今、自分がどのような立ち位置にあるのか、特に与えられた仕事の全体から絞り込んだ仕事をきちんと見据えることで大きな操舵ミスもなく、順風満帆で航海することが可能となります。上司が部下の仕事の進捗度をチェックし、何が理解できていないのか、何が不得意なのかを理解すれば、自ずと適格な助言ができるとともに、一気に仕事が進むことが期待できます。部下が仕事ができることは、上司の仕事もはかどることになり、いわゆるwin-winの関係が構築されることになります。

2型糖尿病発症時は、特段自覚症状がないことから、毎年健康診断を受診していないと、早期発見が遅れることになります。仕事についても、与えられた仕事のプロセスが誤っていれば、最終報告のところで誤りが発覚し、上司も大変な思いをしなければなりません。

いわゆる「一人前」は、まずは、ルーティンワークが的確にできる人材を育成するのが、指導者の役割です。平均寿命、健康寿命の延伸は、多くの研究結果の恩恵によるものですが、一方、仕事ができることも、先輩上司から、仕事のやり方、進め方等を学ぶことができるからです。

人生において、多くの達成感がセルフエフィカシー(自己効力感)を向上させ、自信に直結します。上司が自分を超える部下を育成したときに、その上司は達成感を味わうことになります。人材から人財への変容です。子供が教育によって、本能の赴くままの行動から理性に制御された言動に変容したとき、高等教育の目標に近づいたことになるのです。

以上

※「健康経営」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。
※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2019年6月11日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
特定非営利活動法人健康経営研究会 理事長 岡田 邦夫(おかだ くにお)

岡田先生

大阪市立大学大学院医学研究科卒業後、大阪ガス株式会社産業医、健康開発センター健康管理医長を経て平成8年より同社統括産業医に就任。特定非営利活動法人健康経営研究会理事長、プール学院大学教育学部客員教授健康スポーツ科学センター長、厚生労働省「職場のメンタルヘルス対策検討委員会」委員、文部科学省「教職員のメンタルヘルス対策検討会」委員、厚生労働省「ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取り扱いに関する検討会」委員、厚生労働省「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のあり方に関する検討会」委員などを歴任。
「健康経営のすすめ」社会保険研究所(共著)、「新版 判例から学ぶ従業員の健康管理と訴訟対策ハンドブック」法研(編著)、「これからの人と企業を創る健康経営」社会保険研究所(共著)、「健康経営推進ガイドブック」経団連出版、「ストレスチェック導入・運用サクセスガイド」メディカ出版など著書多数。
その他、大阪府医師会「健康スポーツ医学委員会」副委員長、一般財団法人大阪陸上競技協会理事、医事部部長、大阪マラソン医事・救護専門部会委員長、独立行政法人労働者健康福祉機構大阪産業保健総合支援センター産業保健相談員、日本医師会健康スポーツ医学委員会委員など。

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