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経営者に知ってほしい健康経営/第28回 ヘルスリテラシー  医学的根拠に基づいて健康づくり その2 先哲に学ぶ養生の知識

健康経営®のコラム 2019年10月30日

古代中国、秦の始皇帝は「東の国に不老長寿の薬あり」と聞き及び、徐福にその妙薬を探しに行くように命じたとされています。しかし、現実には、始皇帝は霊薬として水銀を飲み、苦しみながら亡くなったとされています。常温では液体で、銀色に光る水銀に不老長寿の効果を期待したのです。現代社会では、むしろ私たちの健康のみならず生命をも奪う毒性を持っていることが周知されています。

人類の科学は日々進歩し、多くの情報を私たちに提供してくれます。しかし、多くの情報を正確に把握し、また行動面において実践することが重要であることはいうまでもありません。

現代社会は、情報社会です。健康に関する知識も巷にあふれるばかりですが、自分に合った健康づくりでなければなりません。健康診断の結果は、その時の健康状況を示しています。前回の結果と比較することによってどのような変化が起こっているのか、その原因はどこにあるのか、を知ることが大切です。もしわからなければ専門家に聞き、納得して行動に移すことです。

「病は口より入り、禍は口よりいず」とは、日々摂取する食べ物が私たちの健康と生命に影響を及ぼすことをすでに昔から多くの人が経験的に学んでいたのでしょう(経験に基づく健康づくり、Experience-based healthcare)。「晩食に多く食うべからず」は、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)を予防するための生活習慣としての「就寝前の2時間以内に夕食をとることが週に3回以上ある」(問診内容)につながるものです。口から入るものは健康にどのような影響を及ぼすのか、知ることが大切です。

アレキサンダー・リーフはその著書「世界の長寿村 百歳の医学」において、「人は規則正しい運動を開始するのに年を取りすぎている、ということは決してないし、一度始めたなら、それを続けるのに年をとりすぎた、ということもないであろう。」と記述しています。

また、養生訓には、「呂氏春秋曰く、流水腐らず、戸枢(こすう)螻(むしば)まざる」が引用されており、「常に流れている水はよどむことなく、常に戸の回転軸は動いているため、虫に食われることはない」を意味しています。血液が常にサラサラに流れていることは私たちの健康に必須ですが、そのためには「動くこと」が必要なのでしょう。

最近は、デスクワークでいわゆる「エコノミー症候群」が起こる可能性が示唆されています。1日1時間のスタンディングワークで、心臓疾患の7%が予防できる、との研究報告があります。食べること、動くこと、どちらも生命と健康を左右する大きな要因です。

以上

※「健康経営」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。
※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2019年8月15日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
特定非営利活動法人健康経営研究会 理事長 岡田 邦夫(おかだ くにお)

岡田先生

大阪市立大学大学院医学研究科卒業後、大阪ガス株式会社産業医、健康開発センター健康管理医長を経て平成8年より同社統括産業医に就任。特定非営利活動法人健康経営研究会理事長、プール学院大学教育学部客員教授健康スポーツ科学センター長、厚生労働省「職場のメンタルヘルス対策検討委員会」委員、文部科学省「教職員のメンタルヘルス対策検討会」委員、厚生労働省「ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取り扱いに関する検討会」委員、厚生労働省「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のあり方に関する検討会」委員などを歴任。
「健康経営のすすめ」社会保険研究所(共著)、「新版 判例から学ぶ従業員の健康管理と訴訟対策ハンドブック」法研(編著)、「これからの人と企業を創る健康経営」社会保険研究所(共著)、「健康経営推進ガイドブック」経団連出版、「ストレスチェック導入・運用サクセスガイド」メディカ出版など著書多数。
その他、大阪府医師会「健康スポーツ医学委員会」副委員長、一般財団法人大阪陸上競技協会理事、医事部部長、大阪マラソン医事・救護専門部会委員長、独立行政法人労働者健康福祉機構大阪産業保健総合支援センター産業保健相談員、日本医師会健康スポーツ医学委員会委員など。

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