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経営者に知ってほしい健康経営/第35回 ヘルスリテラシー 医学的根拠に基づいて健康づくり まとめ

健康経営®のコラム 2020年4月15日

いきいきした生活を送ることは、健康の一つの条件を満たしていることになります。病気を持っていても、うまく制御することができれば、日々の生活は快適に送ることができる可能性があります。

心の病は、予期不安という漠然とした未来への不安感が強くなってきたときに、いろいろな症状が出現し、自分では何ともしがたい状況に陥ってしまいます。明日の天気を前日ずっと心配しているようなもので、自然の摂理を一人の力で変えることは到底無理なことです。

認知行動療法は、自分の誤った思い込みを是正することで物事の見方を変え、少しでも楽観的に考えることができるようにすることですが、このことは予期期待となって好ましい効果を生み出す可能性があります。「なるようにしかならない」と考えられるようになるまでには、かなりの努力が必要ですが、その前に「備えあれば憂いなし」の実行が必要です。

健康づくりの考え方も、時代の流れとともに少しずつ変化してきました。現在では、健康の経済的効果を考えることが求められています。それは、私たちの考えと一致するものでもあります。無駄なく、最も効果的な健康づくりを実践し、最大の効果を期待することですが、その前提は、自分自身をよく知る、ということです。

例えば、高血圧を有する人が、血糖降下剤を服用しても、現在の健康問題は解決しませんし、むしろ低血糖による重篤な合併症を招く危険性があります。すでに、説明させていただいたように長期間の空腹後に大量に食物を摂取した場合は、時に生命の危険を伴います。知っているか、知らないか、ただそれだけで、生命が左右されてしまいます。

ヘルスリテラシーとは、自分の健康のことを知った上で、あふれるばかりの健康情報の中から、自分にフィットした健康づくり方法を選択し、自分なりの方法で実践することができる能力のことです。普段の生活が問題なく送れているのであれば、たまたま暴飲暴食したからといって、2型糖尿病を翌日に発症することは考えられません。しかし、日々の生活が、多くの問題を抱えているのであれば、たった1回の暴飲暴食が引き金となって種々の病気が発症する危険性は否定できません。

このことは、企業経営においても同じであろうと推量されます。「寝だめ」はできませんが、すぐに「睡眠負債」を返済すれば、大きな問題を回避することができます。眠気を我慢して、座り続けて仕事を続けることは、健康問題を発生させることになります。

経営危機のとき、できればないほうがいいのですが、頑張れるかどうか、それは、いままでの健康投資によって蓄積された健康、すなわち健康を基盤とした人財力に依存するのではないでしょうか。

以上

※「健康経営」は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。
※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2020年2月19日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
特定非営利活動法人健康経営研究会 理事長 岡田 邦夫(おかだ くにお)

岡田先生

大阪市立大学大学院医学研究科卒業後、大阪ガス株式会社産業医、健康開発センター健康管理医長を経て平成8年より同社統括産業医に就任。特定非営利活動法人健康経営研究会理事長、プール学院大学教育学部客員教授健康スポーツ科学センター長、厚生労働省「職場のメンタルヘルス対策検討委員会」委員、文部科学省「教職員のメンタルヘルス対策検討会」委員、厚生労働省「ストレスチェック制度に関わる情報管理及び不利益取り扱いに関する検討会」委員、厚生労働省「労働安全衛生法に基づく定期健康診断等のあり方に関する検討会」委員などを歴任。
「健康経営のすすめ」社会保険研究所(共著)、「新版 判例から学ぶ従業員の健康管理と訴訟対策ハンドブック」法研(編著)、「これからの人と企業を創る健康経営」社会保険研究所(共著)、「健康経営推進ガイドブック」経団連出版、「ストレスチェック導入・運用サクセスガイド」メディカ出版など著書多数。
その他、大阪府医師会「健康スポーツ医学委員会」副委員長、一般財団法人大阪陸上競技協会理事、医事部部長、大阪マラソン医事・救護専門部会委員長、独立行政法人労働者健康福祉機構大阪産業保健総合支援センター産業保健相談員、日本医師会健康スポーツ医学委員会委員など。

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