この記事のタグ: スポーツ 健康管理 経営者

経営者がランニングをすべき理由とは?

個人としての生活を楽しみたい 2021年10月6日

ランニングが必要な経営者たち

今、新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するために、一人一人が不要不急の外出を自粛し、他者との接触もできる限り減らすことを求められています。
一方で、経営者の間でもテレワーク(リモートワーク)など外出の自粛が長らく続き、身体的および精神的な健康を維持する運動の必要性が高まっています。
テレワークの生活では1日の活動量は減少し、体力の低下はもとより筋肉などの衰えからくる生活習慣病、ロコモティブシンドローム、さらには認知症を来すリスクも高まります。
新型コロナウイルス感染症の対処方針では、屋外での運動は生活の維持に必要なものとして自粛対象から外れています。

走ることは健康力を高めて脳や身体の機能を活性化し、内側からさまざまなプラス効果を生み出します。本稿では、走ることが健康上どのような効果をもたらすのかについて紹介しますので、明日からでもできるランニングのモチベーションアップにつなげていきましょう。

運動不足解消だけではないランニングの効果

どれだけ入念に会議の準備をしていても、病気に感染して仕事を休んでしまっては元も子もありません。そうならないようにするには、体調管理をしっかりと行い、いつでも万全の体調でいられることを心掛ける必要があります。そのために役立つのがランニングです。
ランニングの習慣は、「健康」という何ものにも代え難い財産を与えてくれます。具体的にはランニングをすることで、次のような効果があるといわれています。

1)運動不足、生活習慣病の解消!

経営者も自宅中心の仕事が続くことで運動不足になり、肥満ぎみな体形になってしまうことがあります。実はこの肥満によって、日本の五大疾病に挙げられる糖尿病や心疾患、脳疾患のリスクがとても高くなることが分かっています。このため、定期的にランニングをして運動不足を解消し、肥満になることを防ぐことが重要です。

ランニングは歩くことに比べカロリー消費が2倍と運動効率が高く、走り出した直後から脂肪を燃焼させます。
また、「ゼェハァ」するような速さで走らずに、スマートフォンで会話ができそうなスピードでも十分脂肪は燃焼します。このため、適度に筋肉がつくようになってくると自然と代謝が上がり、運動以外でも脂肪が燃えやすくなってきます。

ある研究によると、運動をしている人は、していない人に比べてがんや心疾患、糖尿病などによる死亡率が低下すると報告されています。
例えばランニングをすると、脳内物質が分泌されて自律神経の働きを整えてくれます。このことにより内臓の働きも活発化して腸の働きを刺激し便通を改善させます。排せつ機能の改善は直腸がんのリスクを低下させます。

有酸素運動は心臓や肺、血管などの循環器系を強くしてくれますし、体脂肪を燃やしてスリムになれば糖尿病のリスクも下がります。また、走ることで得られる達成感や自己肯定はストレスを発散してくれます。

2)免疫機能が高まる!

人は免疫機能が低下すると病気にかかりやすくなります。免疫機能は言い換えると「白血球」が活性化している状態のことです。
この白血球を活性化させるには体温を上げる必要があります。そして、最も効率的に体温を上げる運動がランニングなのです。

走る動作は体幹を支え、腕を振り、脚を動かしながら呼吸をし続ける全身運動です。全身の筋肉のうち70%が下半身にあるため、走ることでより効果的に体温を上げることができます。
さらにランニングを定期的に継続すると、全身の筋肉は刺激されて基礎代謝が上がり、健康なときの体温が維持されることで免疫機能が高まります。

3)深い眠りにつながる可能性がある!

眠れない人は、習慣的に長時間労働をしていたり、プレッシャーなどの強いストレスを感じていたりする傾向にあります。また、深夜にパソコンやスマートフォンを使用している人も、眠れなくなることが多いようです。

神経の緊張状態が長く続くと、身体の自律神経はバランスを崩してしまい、眠れなくなる可能性があるといわれています。そんなときこそランニングが効果的です。
人は走り出してわずか5分で脳内ホルモンの「セロトニン」が分泌されて、自律神経のバランスを正常に戻し始めます。さらに10分も走ればその達成感から楽しさや意欲を感じさせる「ドーパミン」が分泌されます。
こうした良い循環は自律神経の働きを整え、睡眠を誘うホルモン「メラトニン」生成を助けることにもつながり、リラックスして深い眠りを取り戻すことができるようになります。

脳の活性化で仕事の成果も上がる

これまで紹介してきた身体的な効果だけでなく、ランニングには仕事においても直接的な効果があるといわれています。そのため、単に運動不足の解消といった面だけでなく、次のような問題を解消するプラス効果もランニングが注目を集める要因とされています。

1)「やる気が出なくてうまくいかない」を解消する

仕事が思うようにいかない、人間関係も円滑でないようなときは、日ごろのあらゆるシーンで後ろ向きな気持ちになりがちです。こんなとき、ランニングはやる気スイッチをONに切り替えてくれます。

走ることで、おでこに位置する脳の前頭葉がよく働くようになり、物事に取り組む意欲が高まります。
さらに、走った後のおいしい食事をイメージしたり、少しでも「長く走れた!」というような成功を感じるようにしたりすると、脳は達成感を得られるようになります。ますますやる気が高まるでしょう。
精神的ストレスでうつ状態の人が、習慣的なランニングで症状が改善された事例もあります。走った自分を褒めることで自信につながり、意欲的な時間を過ごせるようになります。

2)「プレゼンで言いたいことが伝わらない」を改善する

ビジネスシーンでは、顧客へのプレゼンテーションや社内会議でのディスカッションなど、相手に物事を伝える場面が多くあります。中には、「うまく伝わらない」と悩んでいる人もいるのではないでしょうか?

言いたいことがうまく相手に伝わらないのは、話の筋書きが上手につくれていなかったり、必要のないことまで伝えていたりするからかもしれません。
ランニングには、脳の血流を増やし、神経のつながりを強化する効果があります。その結果、「相手が今何を感じてどのような話をしたがっているか」といった洞察力・観察力や、相手が話したことを一時的に覚えておいて、自分なりの答えを伝えるという「一時記憶」の力が高まります。
また、記憶された情報を整理して、求められる話を順序立てて伝えるスキルアップのためにもランニングは有効です。

3)「ストレスでイライラして集中できない」の解消へ

日ごろ、自宅スペースでビジネスを進める中で思わぬことにストレスを感じてイライラしたり、落ち着かず目の前のことに手が着けられなかったりするときもあるでしょう。長く続くストレスは頭痛やめまい、内臓の不調にとどまらず、脳の機能にも深刻な問題を招く恐れがあります。

ランニング大国である米国の人たちが走り続ける理由に「ストレスの解消」が多く見られるように、ランニングには心身共にプラスの効果をもたらします。
例えば、新緑を見たり花の香りを感じたりすることで五感が刺激され、幸福感が自然と高まり神経の緊張は和らぎます。また、新鮮な酸素が流れ込むことで脳がリフレッシュされます。リフレッシュされた脳で効率的に仕事を進めることができれば、ストレス予防にもつながります。クリエーティブな成果も期待できるかもしれません。

4)「計画通りの段取りが苦手」の改善へ

やるべき仕事がたくさんあるとき、何から手を着ければよいのかを的確に判断できない場合があります。優先したいはずのことを置き去りにして、次々に新たな課題をつくってしまう。
このとき必要とされる計画性は脳の前頭前野の働きによるものです。ゆったりしたランニングよりも、少し速さを意識して走ることで前頭前野は活性化します。複雑な数式を計算するときにも前頭前野は活性化しますが、それも同じことです。

適度な速さのランニングは、物事を相対的に捉えて計画し、いくつかの選択肢の中から的確な判断を下し、利益やリスクを考えた上できちんと決断していくといった、仕事に直結する能力を高めることにつながるのです。

ランニングとビジネスは似ている

これまで見てきた通り、ランニングは健康力を高めると同時にプライベートやビジネスにおいてプラスの効果をもたらします。

誰かに強要されるような義務感ではなく、自主的にランニングを習慣化することは自らの意思へのコミットです。到達したい目的を決めて、そこに向かって日々の目標を考える。そして、達成するための課題を見つけて次へと活かしていく。この自主的なランニングの習慣は、まさにビジネスそのものともいえるのではないでしょうか。

忙しいときでもタイムマネジメントを工夫し、ベストパフォーマンスが発揮できるように日々の自己管理能力を高めていく。そうして真の健康を手に入れ仕事も余暇も充実した先に、QOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)の向上という本当の意味でのゴールが待っているのです。

最近では、全国各地でマラソン大会が中止となっています。こんなときだからこそ、自分自身の内面に意識を置いて身体と対話しながら第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2021年8月16日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
株式会社ランナーズエイド0+代表 後藤 敏雄(ごとう としお)

後藤敏雄氏

大学、実業団で長距離選手として活躍。競技引退後、アミノバリュー・ランニングクラブのコーチなどを歴任。その後スポーツを実践する上での神経学、解剖学、運動生理学など基礎医学を学ぶ。現在はカイロプラクターとしての活動と並行して、その知識と競技者としての経験を活かし、幅広い世代に、コンディショニングやトレーニング方法についてアドバイスを行う。「ランナーズ」「クリール」等の専門誌寄稿、講演やオンラインによるセミナー、ワークアウト活動なども実施。カイロプラクター、RACランニングスクール代表。

関連記事