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2016年3月18日

褒め上手の上司が必ず守る3つの鉄則

コミュニケーション 部下育成

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褒め方次第で部下のやる気は違ってくると心得よ

「叱り方」で悩む上司がいるように、「褒め方」に迷う上司も少なくありません。その理由は人によってさまざまですが、部下を褒めることに抵抗感や照れくささを感じたり、できて当たり前だから褒めるほどではないと決め付けたりする気持ちがあるからかもしれません。あるいは、褒めても部下にしらじらしいと思われるのではないかと考える上司もいるでしょう。

しかし、部下を育てるには、褒めることがとても大切です。なぜなら、褒めるというのは、言い換えると部下の言動を肯定し認めることにつながるからです。どのような部下でも認められたいという承認欲求を持っているため、褒められる=認められるとやる気は高まります。自信にもつながるでしょう。

重要なのは褒め方です。褒めて伸ばそうと考えてささいなことでもとにかく褒めまくる上司も中にはいますが、それは正しい褒め方とはいえません。むしろ「おだてる」に近いでしょう。褒めるとは、高く評価していることを口に出して伝えたり、たたえたりすることをいいます。本稿では、部下を成長させるために必要な上手な部下の褒め方の3つの鉄則を紹介します。

鉄則その1:具体的に褒めるが良し

部下を褒めるときは、具体的に褒めるのがポイントです。「最近よくやっているね」と褒めるより、「最近、企画書の内容が前より顧客視点に立てるようになったね」と褒められたほうが、部下に分かりやすく伝わります。

曖昧な言葉や抽象的な言葉では、部下は上司に対して「本当にそう思っているのかな」と考えてしまうことがあります。場合によっては皮肉を言われていると誤解してしまうかもしれませんし、そうなってしまっては褒めた意味がありません。

具体的に褒めるには日ごろから部下に関心を寄せ、よく見ておかなければなりません。最近、部下がどのような点を頑張っているか、どの部分が以前に比べて成長しているか。上司は、これらのことをしっかり把握できているか、改めて確認してみましょう。

部下は、上司に具体的に褒められると、「上司は自分のことをちゃんと見てくれている」と感じ、やる気が高まるでしょう。

鉄則その2:褒めるタイミングにも気を使うべし

特別な場合を除いて、褒めるときはできるだけ間を空けず、その場で褒めるようにしたほうがよいでしょう。褒められる理由となった出来事の後、その記憶が鮮明なほど、部下にとっては褒められたことが印象に残り、またうれしく感じられるでしょう。

逆に、褒めるべきときに褒めないと、部下は「上司は自分の仕事には無関心だ」「成功しても評価されない」と思ってしまいます。上司の側も、後で褒めようなどと思っていると、そのうちに褒めるのを忘れてしまいかねません。

褒めるときには“すぐに”、そしてみんなの前で褒めるのがよいでしょう。多くの部下の前で褒めることによって本人の自信になるとともに、他の人たちにその行動を見習わせることができます。

ただし、特定の部下を褒めることが、結果として他の部下を批判することにつながってしまうような場合、部下を個別に呼び出して褒めたほうがよいケースもあります。そこは状況に応じてタイミングを計るようにしましょう。

鉄則その3:声と表情にも気を使うべし

部下を褒めようと思っても、褒め言葉を口にするのは照れくさいものです。内心では部下を「なかなかやるな」「成長したな」と思っていても、口に出すのをためらってしまうという上司は多いかもしれません。

しかし、たとえはっきり口には出さずとも、自分の真意は伝わっているはずだという上司の期待は、単なる思い込みにすぎないことが多いようです。部下には、上司の“心の中の拍手”はなかなか伝わりません。

例えば、仕事で成功を収めた部下に対して、「そんなに期待していなかったけど、よくやった」と言ったらどうでしょう。たとえ上司が「期待以上の成果で満足している」という意味で言ったのだとしても、言葉を掛けられた部下は、「自分はそんなに期待されていないのか……」と誤解してしまうかもしれません。

やはり、褒めるときは部下にちゃんと伝わるよう、はっきりと分かりやすく言葉に出して言わなくては、効果は上がりません。言葉だけでなく、声のトーンと表情にも気を使い、明るい声と表情で褒めるようにしましょう。そのほうが、部下に気持ちがストレートに伝わるはずです。

自分と比べるのをやめると褒めやすくなる!?

中には、仕事はできて当たり前なのだから、褒めるほどのことではないと考える上司もいるでしょう。そうした上司の多くは、基準を上司自身に置いているから、部下のことを「よくやった!」と思えないのかもしれません。

部下は上司と仕事を進める能力も考え方も違います。これまでの繰り返しになりますが、「部下が以前に比べてどのように成長したか」を見るようにしましょう。

また、上司自身を基準にして褒めていると、自分を超えてくれる部下が育たなくなってしまうかもしれないのです。これは上司が自分と同じように仕事がこなせた、あるいは、自分の意に沿った行動をしたなどの理由で褒めていると、部下が上司の気に入りそうな言動を心掛けるようになりかねないからです。これでは部下が上司を超えることはできません。組織としての成長も止まってしまうでしょう。

上司はフラットな視点で、部下の言動にフォーカスするように心掛けましょう。

無理をして褒める必要はない

ここまで見てきた「上手な部下の褒め方」とは、少し矛盾するかもしれませんが、上司は「無理して褒める必要はない」ということも心に留めておきましょう。

褒めて伸ばすとはいえ、安易になんでもかんでも褒めていては、かえって部下のためになりません。「この上司は、この程度で褒めてくれる」と部下が感じてしまうと、部下のチャレンジ精神が伸びなくなってしまいます。

理想的には、「この上司はとても厳しいけれど、頑張ったときにはちゃんと認めてくれる」と部下が感じてくれることです。

企画書をなかなか通してくれない上司が、「今回の企画書は視点が面白くて良かった」と褒めてくれたとき、部下はきっとこの日のことを一生忘れないでしょう。このとき部下は、「いつも厳しくて怖いけど、褒められて本当にうれしかった。また頑張ろう!」と素直に思えるものです。

そのためには、上司は率先垂範の精神で日ごろから仕事に真摯に取り組み、部下に尊敬されるようでなくてはいけません。

以上

※上記内容は、本文中に特別なことわりがない限り、2016年3月14日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。 「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。

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