社員を大切にしたい

2016年3月30日

ストレスチェックで強化される「4つのケア」

リスク管理 人事労務 健康

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ストレスチェック制度が始まった!

直近のデータを見ると、2014年度は精神障害の労災請求件数が1456件、これまでに労災と認定された件数(支給決定件数)が497件となり、いずれも過去最高となりました。経営者にとって、職場のメンタルヘルス対策の重要性は高まるばかりです。

もし、社員がうつ病やパニック障害などを理由に休職したら、会社は代替要員の確保に始まり、定期的な病状の確認、職場復帰に向けた支援、場合によっては労働契約解消の判断と手続きなど、多くのことをしなければなりません。

これらの対応には専門的な知見が求められる部分もありますが、弁護士や社会保険労務士、産業医との連携があまり強くない中小企業は、対応に苦慮することもあります。

こうした中、労働安全衛生法が改正され、2015年12月から「ストレスチェック制度」(心理的な負担の程度を把握するための検査等)が開始されました。ストレスチェック制度は、ストレスチェックや医師による面接指導など複数のメンタルヘルス対策をパッケージ化したものです。

ストレスチェック制度を実施する事業場の規模は?

ストレスチェック制度の実施が義務付けられているのは「常時50人以上の社員を使用する事業場」です。50人の中には、一定の要件を満たすパートなども含まれます。

ストレスチェック制度の中心はストレスチェックです。社員に受検の義務はありませんが、事業場は社員にストレスチェックを受検するよう勧奨することが求められています。ただし、就業規則などに定めて強制することはできません。ストレスチェックを受検するか否かは、あくまでも社員が決めることになっています。

ストレスチェックで利用する調査票

ストレスチェックで利用する調査票として国が推奨しているのは、「時間内に仕事を処理しきれない」「イライラしている」などの57項目からなる「職業性ストレス簡易調査票」(以下「簡易調査票」)です。57項目は、1.仕事のストレス要因、2.心身のストレス反応、3.周囲のサポートという3つの領域を含んでいます。

この簡易調査票をそのまま使うこともできますし、3つの領域をカバーしていることを前提に内容を変更したオリジナルの調査票を作成することも可能です。ただし、調査票の中に性格検査やうつ病検査などを盛り込むことはできません。

ストレスチェック制度の全体像

ストレスチェック制度は、ストレスチェックや医師による面接指導などがパッケージ化されたものであり、その全体像は次の通りです。

ストレスチェックの実施手順

一部、上の(図表1)に記載していないものもありますが、事業場がストレスチェック制度に対応する際のポイントは次の6つになります。

  1. 導入前の準備
  2. ストレスチェック
  3. 医師による面接指導
  4. 就業上の措置の実施
  5. 集団分析
  6. 労働基準監督署への届け出

就業上の措置と集団分析

ストレスチェックの結果、ストレスが高いという結果が出た社員からの申し出によって、医師による面接指導を実施します。事業者は面接指導を実施した医師から意見を聴取し、必要に応じて「就業場所の変更」「作業の転換」「労働時間の短縮」などの就業上の措置を講じます。内容によっては就業規則や労働契約書の変更が必要になります。

また、集団分析とは、一定規模の集団ごとにストレスチェックの結果を集計・分析し、集団ごとのストレスの偏りなどを把握してメンタルヘルス不調の予防措置につなげる取り組みです。これは努力義務です。

ストレスチェック制度の実施スケジュール

1回目のストレスチェックは、2016年11月30日までに実施しなければなりません。2015年はマイナンバー対応に追われ、ストレスチェック制度への本格的な対応はこれからという事業場は、早めに準備をして計画的に進めていく必要があります。

実施スケジュールのイメージ

抜け漏れを防ぐ。ストレスチェック制度対応のチェックリスト

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