社員を大切にしたい

2016年3月13日

「任せるぞ!」って言ったのに……

コミュニケーション 上司と部下のギャップ

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登場人物

山田課長(営業一課 課長)
入社18年目の営業一課課長。大学時代まで野球部に所属していたバリバリの体育会系。部下には厳しく接することもあるが、その後のフォローには人一倍心を砕いている。情に厚く、周囲から信頼されている。

 

真一(営業一課所属)
入社5年目。物怖じしない明るい性格で、課のムードメーカー的存在。ただし、物事を楽観的に考える傾向があり、少しそそっかしく、「お調子者」的な部分が顔を出すのがタマにきず。

あらすじ

営業一課の山田課長は、新年度の課の営業計画について営業部部長とのヒアリングを終えたところだった。山田課長の営業計画はほぼそのままの内容で承認され、新年度から実行されることが決まった。山田課長自身はプロジェクトリーダーとして、全体を指揮する立場となる。

山田課長の営業計画は、中長期的な視点で、将来の優良顧客を獲得するプラン。少額でもよいので新規取引先を増やし、その後のフォローで増額を図るというものだ。同社の営業は、既存顧客との関係維持が中心のため、計画的な新規開拓は新たなチャレンジとなる。

山田課長は新たなチャレンジに燃える一方で、メンバーが新規開拓に不慣れな点が不安だった。自ら指導したいところだが、その時間は取れない。自分の代わりに、現場の最前線を管理するマネジャーが必要であると思った。

思案の末、山田課長は部下の真一をマネジャーに抜てきすることにした。真一は物怖じしない性格で、新規開拓に果敢にチャレンジするだろうと期待したのだ。わずか30分の短い時間だったが、山田課長は真一に自分の考えを伝えた。真一も大筋を理解し、マネジャーへの就任を承諾した。

最後に山田課長は、「真一、この件は任せる。期待しているぞ!」と真一を激励した。

こうして順調にスタートを切ったかのように思えたプロジェクトだが、1週間後のミーティングで上司と部下のギャップがみえた……。

ミーティングでの山田課長と真一の会話

課長:お疲れ様。この1週間、部長や関係部門とのミーティングが重なっていて、真一とはゆっくりと話をすることができなかったね。ミーティングでは、今回のプロジェクトに対する会社の期待の大きさを感じるよ! 俺たちが頑張らないとな!

真一:そうですね。

課長:じゃあ早速だけど、現状を確認しつつ、情報の共有を図ろう。特に書類はないみたいだけど、この1週間の状況を報告してくれ。

真一:はい。と、言いましても、今のところ、特に報告すべきことはありません。ようやくメンバーの役割分担を検討し始めたところです。

課長:ん~。メンバーの役割分担を決めることは確かに重要だけど……。それで、どこまで決まったの?

真一:昨日、30分のミーティングをしただけなので、まだ何も決まっていません。年度初めは担当顧客のフォローで忙しく、なかなか時間が取れないんです。

課長:そこをやりくりするのが、マネジャーである君の仕事でしょう。で、次のミーティングはいつ?

真一:それもまだ決まっていません。私より年上のメンバーもいますし、他部署の人との連携も必要なので、なかなか強く言えなくて……。

課長:そのようなときのために、プロジェクトリーダーである私が君に権限委譲しているんじゃない。もっと強い態度で臨めばいいんだよ。

真一:……。

課長:それに、メンバーの役割分担の前にやるべきことがあるでしょ。まずはプロジェクトの全体像を固めてメンバーで共有しないとダメだよ。君に任せているんだから、もっとしっかりしてくれよ!

真一:課長はそうおっしゃいますが、みんなを巻き込むのは大変です。私の言うことを聞いてくれない人もいますし……。それに、現場は僕に任せてくれるんですよね。いや、そもそも、一体、どこまで私に任せてくれているんですか。できるだけ課長にご迷惑をおかけせずに進めたいと思ってはいるのですが、どこまで私のほうで決めればいいのか分からなくて……。その上、いつもとは勝手が違う新しい業務だから、正直戸惑っているのです。

課長:……。

上司と部下、それぞれの思いや考え

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