社員を大切にしたい

2016年3月16日

なぜドリルが欲しい? 顧客ニーズを探れ!

コミュニケーション 上司と部下のギャップ

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登場人物

山田課長(営業一課 課長)
入社18年目の営業一課課長。大学時代まで野球部に所属していたバリバリの体育会系。部下には厳しく接することもあるが、その後のフォローには人一倍心を砕いている。情に厚く、周囲から信頼されている。

 

真一(営業一課所属)
入社5年目。物怖じしない明るい性格で、課のムードメーカー的存在。ただし、物事を楽観的に考える傾向があり、少しそそっかしく、「お調子者」的な部分が顔を出すのがタマにきず。

 

一平(営業一課所属)
入社2年目。仕事に対するやる気は旺盛で、努力をいとわない。座右の銘は「なせば成る」。正直で素直だが、少々短絡的で突き詰めたり論理的に考えることが苦手。トップセールスマンになりたいという夢を持つ。

あらすじ

「ありがとうございます。それでは来週の木曜日、14時にお伺いさせていただきます。宜しくお願いいたします」そう言って一平は受話器を置き、満足げな顔でスケジューラーに予定を入力している。

営業一課の山田課長は、そんな一平の姿を複雑な心境で眺めていた。

一平は営業一課の若手で、とても元気がいい。プロジェクトリーダーである真一の直属の部下であるが、真一は忙しく、なかなか一平を指導する時間が取れないようだ。ただ、そうした中でも、一平は自主的に新規見込み先の獲得に努めている。

山田課長は、「一平のような若手が育つのは良いことだ!」と思う一方で、心配でもあった。

よく頑張っているわりに一平の活動の成果が上がっていないのだ。一平は電話によるアポイント、提案資料の作成、訪問など、毎日一生懸命だ。しかし、一向に新規顧客が獲得できていない。にもかかわらず、一平はあまり真一にも相談していないようだ。

山田課長が一平の様子を見てみると、電話口で一方的に話していたり、資料作成に時間がかかり過ぎている。初期の営業では、相手の要望を聞くことが大事だし、提案資料もある程度簡単なものでいい。真一は、この辺りのことを一平に教えていないのだろうか。

そう考えた山田課長は、真一と一平に営業活動の状況を確認することにした。

すると、その会話から上司と部下のギャップが見えた……。

山田課長が一平に営業活動の状況を確認する会話

課長:お疲れ様。一平はかなり張り切っているじゃないか。とても頼もしいぞ!

一平:ありがとうございます!

真一:そうでしょう。何たって、一平は私の一番弟子ですから。ははは。

一平:ようやく新規へのアプローチに慣れてきたところです。先月は30件の新規見込み先に訪問しました。

課長:ほぉ~。それはなかなかのものだ。

真一:うんうん。いいペースだね。

課長:その調子で頑張れ、一平! それで、成果は上がっているの?

一平:……。 まだ、訪問活動を開始したばかりなので、具体的な成果が上がってくるまでには、もう少し時間がかかると思います。

課長:といっても、先月は30件訪問したんだよね。 その中で、話が前向きに進みそうな先は1件もないの?

一平:いずれも訪問先の担当者は話をよく聞いてくれますが、なかなかその先に進むことができません。

真一:でも、来週の木曜日には業界大手の○×商事のアポイントが取れたよね。そのときは僕も同行するよ。

一平:宜しくお願いします。 ○×商事には、当社の新商品を提案する予定です。あの商品は、我が社の一押しですから! うまくいけば大きな取引になりますよ~。頑張ります!

真一:へ? 新商品を提案する予定だなんて、聞いていないぞ。

課長:なんだ、一平。ちゃんと上司の真一に報告しないとダメじゃないか。

一平:すいません。でも、新商品は当社の一押しですから。

課長:そもそも、○×商事は当社の新商品に興味を持っているの?

一平:それは分かりませんが……。

課長:……。 もしかして、他の訪問先もこんな感じで進めているの? しっかり相手の要望を聞かないとダメじゃないか。

一平:……。

課長:忙しいのは分かる。 しかし、こんな基本的なことは真一が一平にきちんと教えてくれ!!

真一:はい。申し訳ございませんでした。 とにかく、○×商事に連絡して、先方の要望を確認します。 その他の訪問先もフォローします。

課長:宜しく頼むよ。一平は、真一の指示に従ってくれ。

一平:はい(何がまずかったのかな?)。

上司と部下、それぞれの思いや考え

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