社員を大切にしたい

2016年3月17日

自分が頑張るのは簡単。でも、人に頑張ってもらうのは……

コミュニケーション 上司と部下のギャップ

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登場人物

山田課長(営業一課 課長)
入社18年目の営業一課課長。大学時代まで野球部に所属していたバリバリの体育会系。部下には厳しく接することもあるが、その後のフォローには人一倍心を砕いている。情に厚く、周囲から信頼されている。

 

真一(営業一課所属)
入社5年目。物怖じしない明るい性格で、課のムードメーカー的存在。ただし、物事を楽観的に考える傾向があり、少しそそっかしく、「お調子者」的な部分が顔を出すのがタマにきず。

あらすじ

最近、営業一課の山田課長は、真一の仕事ぶりに懸念を抱いていた。

新規顧客開拓の社内プロジェクトがスタートして3カ月。山田課長がマネジャーとして抜てきした真一は、日々、プロジェクトに一生懸命に取り組んでいる。

しかし、山田課長が見る限り、真一は、プロジェクトチーム(以下「チーム」)のメンバーを動かしているのではなく、一人で業務を抱え込んでいるようだ。

例えば、ほかのメンバーに割り振ったテレコールや提案資料の作成なども、結局真一自身が行っている。ほかのメンバーは皆、定時に退社しているのに、真一だけは残業が慢性化している。

このような状態では、真一はメンバーに、十分に指導もできない。

真一とメンバーとの意思の疎通が図れず、結果として、チーム全体の営業活動も停滞している。

真一がチームのマネジャーとしてうまく機能していないのは明らかだ。このような状態では、早晩、新規開拓プロジェクトはさらに厳しい状況となり、真一もパンクしてしまうだろう。

そこで、山田課長は「プロジェクトマネジャーとしての役割をどのように考えているか」「現状をどのように捉えているか」を真一に聞いてみることにした。

すると、真一はそもそもプロジェクトマネジャーの役割を誤解しているようだった。

プロジェクトマネジャーとしての役割を確認する会話の中に、上司と部下のギャップが見えた……。

山田課長が真一にプロジェクトの現状を問いかける会話

課長:新規顧客開拓プロジェクト、毎日遅くまで頑張ってくれてありがとう。

真一:ありがとうございます。うまく進められないときもありますが、ぜひプロジェクトを成功させたいと思っています。

課長:その件で聞きたいことがあるんだ。 プロジェクトがスタートしてから3カ月たったわけだけど、現状は?

真一:これまで数百件の企業にアプローチしてきましたが、新規顧客となった先は1桁台にとどまっています。現在、私が持っている見込み先が3件ありますが、いずれもすぐに成約に結びつけるのは難しいかもしれません。 全体的に状況は芳しくないです。申し訳ございません。

課長:何か対策を考えないといけないね。

真一:はい。アプローチする先をもっと増やしていかなければならないと思っています。

課長:それだけでは十分じゃない気がするけど。まあ、真一の考えを聞こう。誰が何をどうやっていくの?

真一:まずは私自身がやってみるつもりです。 テレコール先を今の倍にしたいと思います。

課長:倍? 結局、やるのは真一か。で、ほかのメンバーは何をするの?

真一:現在、各自にテレコール先を割り振ってあるので、それをまず終わらせてもらおうと思っています。 ただし、皆さんあまり時間が取れないようなので、できない分は私がフォローすることになっています。

課長:真一は提案資料の作成もやっているよね。もっと役割分担したら? 一人でやろうとしても回らないよ。

真一:それはそうですが……。 課長の立てた戦略を一番理解している私がテレコールや提案資料作成をやったほうが早いと思います。

課長:真一はマネジャーとしての役割を誤解しているようだね。より多く見込み先を獲得するために、各メンバーに何をやってもらうべきかを考えて、それを各自にしっかりやらせることがマネジャーの役割なんだよ!

真一:自分には、マネジャーとしてプロジェクトを成功させる責任があると思っています。結果として新規顧客開拓という目的を達成することが大切ですよね? ですから、皆の分も、私が先陣を切って頑張ろうとしているんじゃないですか!

課長:マネジャーとしての役割を、もう一度よく考えてくれ。そうじゃないと、このまま任せられないよ。

真一:……はい(何が違うんだろう?)。

上司と部下、それぞれの思いや考え

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