社員を大切にしたい

2016年3月28日

その「壁」、今は乗り越えられない

コミュニケーション 上司と部下のギャップ

300015

登場人物

山田課長(営業一課 課長)
入社18年目の営業一課課長。大学時代まで野球部に所属していたバリバリの体育会系。部下には厳しく接することもあるが、その後のフォローには人一倍心を砕いている。情に厚く、周囲から信頼されている。

 

真一(営業一課所属)
入社5年目。物怖じしない明るい性格で、課のムードメーカー的存在。ただし、物事を楽観的に考える傾向があり、少しそそっかしく、「お調子者」的な部分が顔を出すのがタマにきず。

 

一平(営業一課所属)
入社2年目。仕事に対するやる気は旺盛で、努力をいとわない。座右の銘は「なせば成る」。正直で素直だが、少々短絡的で突き詰めたり論理的に考えることが苦手。トップセールスマンになりたいという夢を持つ。

あらすじ

山田課長の見たところ、最近、「営業一課の熱血コンビ」といわれてきた真一と一平の様子がおかしい。真一が一平を会議室に連れて行き、こんこんと諭している光景もおなじみとなっており、最近では2人の関係がギクシャクしているようだ。

これまで一平は、新規開拓プロジェクトのリーダーである真一の指導の下、新規見込み先の獲得に積極的に取り組んできた。その姿勢を評価している真一は、ある大口の新規見込み先への提案プランを、一平にすべて任せることにしたらしい。2人がギクシャクしている原因は、この提案プランをめぐるものである。

一平には、「トップセールスマンになる」という夢がある。そんな一平には物事を多面的に考えられるようになってほしいと期待している真一は、あえて細かく指示を出さず、一平に、自分で考えさせようとしているらしい。

一平も、初めのうちはその真一の思いに応えようとして頑張っていたようだ。しかし、真一から何度も提案プランを差し戻されているうちにどんどん元気が無くなり、心身ともにかなり疲れているように見える。

実際、一平がこの提案プランに着手してから既に10日が過ぎているが、一向にめどが立たないようだ。このままでは業務が滞り、らちが明かないと判断した山田課長は、真一と一平に現状を確認してみることにした。するとその会話に上司と部下のギャップが見えた……。

山田課長が真一と一平に現状について問いかける会話

課長:お疲れさま。最近、一平はずいぶん遅くまで残って頑張っているな! ありがとう!

一平:はあ。ありがとうございます。

課長:頑張ってくれるのはありがたいけど、あまり、連日遅くまでやらないようにね。真一の指導をよく聞いて、効率的に進めてくれよ。

一平:はい。分かりました。

課長:真一、念のため確認するけど、この提案プランがまとまるのはいつ?

真一:一平に頑張って考えてもらって、来週中には何とかしたいと思います。

課長:来週? おい、真一、一つの提案プランに3週間もかけるつもりか?

真一:お言葉ですが、課長。今回は、一平が大口の提案プランに初めて自分で考えて取り組んでいるんです。試行錯誤しながらなので時間はかかると思いますが、これを乗り越えたら、一平も一回り大きくなるはずです!

課長:……ふーん。一平は、この先どうすれば自分の提案プランが真一を納得させることができるのか、ちゃんとイメージできているの?

一平:……申し訳ありません。実は、あまりイメージできていないんです。頑張りたいと思うんですが、提案プランを自分で考えるのは初めてなので、勝手が分からず……。

真一:これまでと違って好きに考えていいんだよ。要は、先方のニーズを踏まえて、一平が何をどんなふうに提案して先方を喜ばせたいかだ。

一平:はあ。なんとか良い提案プランを考えたいのですが、自分の力が不足しているのではないかと思って……。

真一:一平にはこれまでの経験と知識があるだろう? それを生かせば、一平ならできる!

一平:ありがとうございます(結局どうしたらいいのか分からない……)。

課長:……まあ、とにかく連日残業ばかりしないようにね。

(真一だけを別室に呼び出して)

課長:真一。一平は大丈夫か?

真一:大丈夫ですよ。これまで、私も課長から難しい業務を任されて苦労しながらもここまで来れました。一平は頑張り屋ですから、きっと私以上にやってくれますよ。

課長:でも、さっき聞いたら提案プランを全くイメージできていなかったぞ。無理なんじゃないか? 時間もかかり過ぎだし、どこかで真一が区切りをつけてやらないと。

真一:……はい(一平に最後までやらせてやりたいんだけどな……)。

上司と部下、それぞれの思いや考え

この記事は会員限定です。会員登録をして頂くと続きをお読み頂けます。

関連記事