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2016年3月30日

中小企業の退職金の支給相場

人事労務 賃金・退職金

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重要性が増してきた? 退職金制度

公的年金(国民年金や厚生年金保険など)の給付額の適正化(引き下げ)や支払い開始年齢の段階的な引き上げ(厚生年金保険)が実施されている現在、リタイア後の生活費としての退職金への期待が高まっています。在職中の社員はもちろんですが、これから就職先を決める人も、「退職金制度が整備されていない会社だと、将来が不安……」と感じています。

実際には、多くの会社が何らかの形態で退職金制度を導入しています。在職中の社員の頑張りに報いるだけではなく、これからの人材採用においても、法定外福利厚生の一環として退職金制度を充実させることの意義は大きいといえるでしょう。

退職金制度にはさまざまな種類があり、仕組みも複雑ですが、本稿では基本的なポイントを紹介していきます。

退職金制度の導入率は80%近い

退職金とは、雇用契約の満了(定年退職など)または途中終了(解雇や転職)を事由として会社が社員に支払うものです。

現在、多くの会社は何らかの形で退職金制度を導入しています。退職金に対する社員の期待は高まっています。東京都労働相談情報センター「中小企業の賃金・退職金事情(平成26年度版)」によると、退職金制度の導入率は78.9%となっています。

退職金制度の有無および退職金制度の形態(%)

退職金制度の分類

1)支払い形態

退職金は、その支払い形態により次のように分類されます。

  • 退職一時金:退職金を一括で支払う
  • 退職年金(企業年金):退職金を年金として支払う

退職一時金は幅広い企業で導入されているのに対し、退職年金は大企業での導入率が高くなっています。中小企業は退職一時金のみを導入し、大企業は退職一時金と退職年金を併用しているケースが多くあります。

2)積立形態

積立形態とは、退職金原資の積立方法のことです。この積立形態により退職金制度は次のように分類されます。

  • 社内積立:銀行預金による積立
  • 社外積立:厚生年金基金や中小企業退職金共済制度による積立

社内積立は、必要に応じて積立金を事業資金に充てられるなど柔軟性が高いことが特徴です。また、社外積立は選択肢が豊富なことが魅力です。中小企業では「中小企業退職金共済制度」や「特定退職金共済制度」に加入していることも少なくありません。

中小企業の退職金制度

中小企業で多く導入されている退職一時金制度に注目してみましょう。一般的に、退職一時金は次の計算方法で求められます。

退職金算定基礎額×支給率+勤続年数(資格)による加算金

多くの企業は、退職金算定基礎額は退職時の基本給としています。このような退職時の基本給に基づいて退職金支払額を算定する退職金制度を「本給連動型の退職金制度」と呼びます。基本的に、勤続年数に従って基本給は上昇するため、本給連動型の退職金制度は年功主義です。

こうした運用を避けたい会社は、

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