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2019年7月16日

働き方改革関連法の施行で 注意すべき「エア退社」のリスク

人事労務 働き方改革

経営者が知っておきたい要注意ワード「エア退社」

皆さんは「エア退社」という言葉をご存じでしょうか? エア退社とは「従業員が退勤時刻を不正に操作して、労働時間を実際よりも短く申告する」ことをいいます。企業から残業禁止命令が出ても定時で仕事が終わらないので、一度、退勤したことにするために労働時間を調整します。

エア退社が常態化すると、残業代が正しく支払われなかったり、経営者が知らない間に、従業員が過重労働になってしまったりする恐れがあります。

これまで、エア退社はいわゆる「サービス残業」として黙認されていました。しかし、2019年4月1日の「働き方改革を推進するための関連法律の整備に関する法律」(以下「働き方改革関連法」)の施行に伴い、労働時間に関する規制が強化されています。経営者はこの問題に真剣に向き合わなければならなくなりました。

エア退社に関連する2つの規制強化

1)時間外労働の上限規制

働き方改革関連法の中で、エア退社に大きく関連するものの1つが「時間外労働の上限規制」です。2019年4月1日(中小企業は猶予期間が設けられ、2020年4月1日)より、従業員に時間外労働を命じる場合、次の点を順守することが必要となりました(一部例外あり)。

  1. 時間外労働の上限について、月45時間、年360時間(いずれも休日労働を含まない)を原則とする(現行の基準告示に「限度時間」として定めていたものを法律に格上げ)。なお、月45時間を超えられるのは年6カ月まで
  2. 臨時的な特別な事情がある場合でも、月100時間未満(休日労働を含む)、年720時間(休日労働を含まない)を上限とする
  3. いかなる場合も、月100時間未満(休日労働を含む)、2~6カ月平均80時間(休日労働を含む)を上限とする

これらのいずれかに違反した場合、使用者に6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。例えば、エア退社をした従業員の労働時間を、企業が実態を確認して事後修正し、その結果、時間外労働の上限規制に違反してしまった場合、罰則の対象となる恐れがあるのです。

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