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“無知の知”を自覚することで、あなたはもっと成長できる/朝礼スピーチ

社員を大切にしたい 2021年1月18日

昨今、しばしば「読書離れ」が話題に上ります。私は、そのことをよく耳にしていたため、世代を問わず、多くの人の間で読書離れが進んでいるのだと思っていました。

しかし、先日小学校の教員の方から聞いた話だと、始業時間前に読書を行う学校が多いことから、小中学生に限っては、近年の読書量は増加傾向にあるそうです。新型コロナウィルスの影響下でも、読書量が減らない工夫がされていました。

こうした勘違いをしたときに、私が自戒を込めて思い出すのが「無知の知」という言葉です。これは、古代ギリシャの哲学者ソクラテスの言葉で、端的に言えば、「私は何も知らない。しかし、私は自分が何も知らないということを知っている」という意味です。ソクラテスは、「ソクラテスに勝る知者はいない」という評価を受けてもなお、おごらずに知識の探求を続けました。これは、ソクラテスが「自分は無知である」という自覚を持ち、学び続けることによって、成長していく必要があると考えていたからでしょう。

ちなみに、ソクラテスは知識を探究する際、対話の中で仮説を立て、この仮説に矛盾する点を指摘することで、相手に無知を自覚させるという、「問答法」を用いました。この方法は、現代のビジネスパーソンにとっても、自分の知識を広げ、深めるために役立てることができます。

例えば、私たちは、これまでの経験に基づいたなじみのある情報や知識を、疑いを持たずに受け入れてしまうことがあります。しかし、変化が著しいビジネスの世界では、これまで定説と言われていた情報や知識が、実情にそぐわなくなっていることも少なくありません。

数ある情報や知識の中から、現在のビジネス状況に即したものを取捨選択し、活用していくためには、仮説を立てて、矛盾点などその反証を挙げることが重要です。こうした検証を経ることで、その情報や知識がはらむ問題点や、新しい事実に気付くことができます。また、仮説を検証する際には、その仮説を裏付ける根拠だけでなく、反証となるデータを見ていくことで、仮説の精度をより高めることができるでしょう。

仮説を検証する際、自分の情報や知識が十分ではなかったり、その正確性に自信を持てなかったりする人がいるかもしれません。そのような人は、上司や先輩など、周りの信頼できる人に相談して、仮説の検証過程を説明し、アドバイスをもらうとよいでしょう。それによって、新たな情報や知識を得て、これまでとは違った視点から情報や知識を検証する方法を身に付けることができるでしょう。

知識や情報はすぐに陳腐化します。しかし、学ぶ姿勢や、仮説を立て、検証するといった問題に対するアプローチが陳腐化することはありません。どれほどキャリアを積もうとも、「無知の知」の姿勢を忘れずに、ビジネスに取り組むことで、皆さんは持続的に成長していくことができるのです。

以上

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