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成長は「足るを知る」ことから始まる/朝礼スピーチ

社員を大切にしたい 2021年4月26日

老子の言葉に「足るを知る者は富む」というものがあります。これは、新しく何かを得ることで満たされるのではなく、今の状態で満足していることを意味します。老子は、人間の欲望は尽きないという前提に立ち、足るを知らない状態では、常に足りないものを追い求めるため、満たされることがなく、幸せになることができないと説きました。仙人のように思われている老子のイメージと相まって、この言葉は、お金やモノに惑わされたり、人と争ったりすることなく、自然体でいたほうが豊かな人生を送れると解釈されています。

一方、ビジネスは競争が激しく、しかも皆さんは成長途中です。そのため、「足るを知る者は富む」という言葉を、文字通りの意味で受け入れるのは難しいかもしれません。しかし、少し見方を変えると、この言葉は自分の現状を正しく把握し、次の行動につなげるきっかけになります。

足るを知るというのは、つまり自分の現状を把握するということです。例えば、向上心を持つ人は、「新しいことに挑戦してみたい」「たくさんの本を読んでみたい」と思っていますが、時間がないというのが悩みの種ではないでしょうか。

しかし、本当に時間がないのでしょうか?

皆さんが新しいことへの挑戦や読書の時間を確保するため、行動の取捨選択をしたり、時短を心掛けたりしているとしたら、皆さんはその時点で確保し得る最大の時間を使っていることになります。

つまり、今以上に多くの時間を確保するのは難しいというレベルまで努力をしているといえるでしょう。それ以上の時間を確保しようとすれば、睡眠時間を短くするなど、どこかで無理をすることになってしまいます。

ただし、今確保できる時間を最大限使っていたとしても、まだまだ足りないというのが皆さんの実感でしょう。また、複数のことを同時に進めていると、リソースや集中力が分散して、余計に時間が足りないと感じてしまうものです。

では、「足るを知った上で富む」ためにはどうしたらよいのでしょうか?

その答えは、取り組む分野を絞り込むことです。今、最大限の時間を確保しているわけですから、その時間を使って何を優先的にやるべきかを決めるのです。そうすると、集中して一つの物事を深く掘り下げることができるため、知識を得るスピードが速くなります。自身の成長を実感しやすくなるので、充実感も得られるでしょう。

私が皆さんに伝えたい「足るを知る者は富む」という言葉の解釈は、自分が利用できる資源を最大限に活用するための努力をした上で、なおかつ「これだ!」と思う分野に資源を集中的に投入して成功を収めるということです。「足るを知る者は富む」という言葉は、決して現状に甘んじるという意味ではなく、厳しさも秘めていることが分かるでしょう。その厳しさが、皆さんを成長させてくれるのです。

以上

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