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健康経営が注目される背景や取り組む目的とは?

社員を大切にしたい 2020年12月3日

これからの経営に求められる従業員の「健康管理」

企業にとって最も重要な経営資源である「ヒト」をどう有効活用すべきか。人手不足が叫ばれて久しい中、多くの企業が従業員のパフォーマンスを最大化する人材活用法を模索しています。育成プログラムの導入や新規プロジェクトへの積極的な参画など、さまざまな活用法が見られますが、このとき目を向けたい取り組みの1つが「健康管理」です。

従業員の健康面をサポートし、健康に働ける環境づくりを目指すことで従業員のパフォーマンスを最大化できるようにします。「従業員の健康は各自に任せる」という考えから「企業が従業員の健康づくりに積極的に関与する」という考えにシフトし、自社の経営課題として従業員の健康管理に取り組みます。こうした経営手法は「健康経営」と呼ばれ、業種や企業規模を問わず、近年は多くの企業が健康経営に取り組むようになっています。

では「健康経営」に取り組むことで、企業は具体的にどのような効果を見込めるのでしょうか。本稿では健康経営の基本的な考え方を整理するとともに、自社が健康経営に取り組むに当たって何をすべきか、基本的な取り組み例を簡単に紹介します。

※「健康経営」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。

企業が健康経営を必要とする4つの理由

1)労働生産性の向上

従業員の健康状態は業務効率に影響します。体調が悪ければ業務効率は下がり、従業員一人当たり、従業員一時間当たりの成果は落ち込むでしょう。従業員の健康を維持・向上させることは、業務効率の維持・改善に直結するのです。

風邪などによる体調不良だけではなく、メンタルヘルス不調のケアも大切です。心配や悩み事があれば業務に集中できなくなる他、周囲とのコミュニケーションが停滞することで組織全体のパフォーマンスにも影響を与えかねません。

従業員が不調になる原因を排除し、健康を適切に維持することで、労働生産性の向上につながることが期待されます。生産性を向上させるためには、従業員が積極的に周囲とのコミュニケーションを図り、円滑な人間関係を築くことも大切な要素なのです。

2)従業員の創造性の向上

従業員の健康度合いは、従業員の創造性の向上も期待できます。新しいアイデアを生み出すなど豊かな創造性を発揮するためには、まずは心身の健康が維持されていることが大切です。

もし、健康に不安があれば、切れ味のよい発想力を期待できないかもしれませんし、物事に消極的に向き合ってしまう可能性もあります。健康的な心身を維持することは、精神的な気がかりもなく前向きな発想力や行動力につながるでしょう。

3)人材の定着率向上

長時間労働の削減や有給休暇を取得しやすくするなどの取り組みは、従業員の満足度につながります。こうした健康経営の取り組みが、従業員の働く意欲やモチベーションを向上させ、結果として人材の定着や確保などの効果を見込めるようになります。

優秀な人材を獲得できない、離職率が高いなどの課題を抱える企業が健康経営に取り組むことで、これらの課題を解消することが期待できます。

4)企業イメージの向上

従業員の健康を重要視する、働きやすい企業として社会からの良い評価が期待できます。例えば、従業員の採用活動では、求職者は賃金などの労働条件を重要視していると考えられがちですが、健康管理を含めた福利厚生も大きなポイントとなります。優れた人材が集まれば業績向上も期待できます。

健康経営の取り組み例

健康経営に取り組むに当たり、企業は具体的にどのような施策を実施すればよいのでしょうか。基本としては、従業員一人ひとりの心身の健康を維持することであり、実践するために企業の方針や具体的な実践内容、社内体制などを整備します。

1)健康診断後のケアや日頃の健康指導

例えば、単に定期的な健康診断を実践するだけではなく、病気の予防のための食事指導、運動習慣の推奨などに取り組むことも大切です。また、健康診断後の対応について事後のケアを徹底することも重要なポイントになるでしょう。

ほとんどの企業では従業員に対して定期的な健康診断を行っています。しかし、健康診断後のケアについては、個人の判断に委ねている場合が多いでしょう。もし再検査、所見等の項目があるなら、企業が事後のアプローチにも関わることによって大事を防ぐことにもつながります。

■健康診断の実施は企業に法的義務がある! 対象者や診断項目を解説■
https://www.ganbarusite-daido.jp/report/personnel/bp300051/

2)メンタルチェック

健康経営の取り組みは、従業員の身体をケアするだけではありません。職場のコミュニケーションが要因となるストレスや、長時間労働によるストレスなど、メンタル面においてもケアが必要です。専門医師によるカウンセリングなど、よりよい職場環境となるように企業によるきめ細かいフォローが大切です。

健康経営をきちんと定着させるには、企業の現場管理者などがその取り組みに積極的かつ真摯に取り組むことが求められます。また、一足飛びに結果を求めるのではなく、意識改革から実践、定着というある程度の期間をもってその効果を判断することがポイントになるでしょう。

経営者として、従業員にメンタルヘルス不調とどう向き合うべきかについては、次のコンテンツで健康経営の専門家が解説しています。ぜひ、ご覧ください。

■経営者に知ってほしい健康経営/第18回 経営の視点-メンタルヘルスを考える■
https://www.ganbarusite-daido.jp/report/kenkokeiei/bp900018/

健康経営が注目される社会背景(労働力人口の減少、長時間労働の常態化)

日本では生産年齢人口(労働力人口)が今後、大幅に減少することが予想されます。国立社会保障・人口問題研究所によると、現在のままの減少傾向で推移した場合、将来の生産年齢人口は2029年、2040年、2056年にはそれぞれ7000万人、6000万人、5000万人を割り、2065年には4529万人になると見込まれています。

このような生産年齢人口の減少は「労働力の不足」という問題が背景にあり、解決策の1つとして、「働き方改革」による労働生産性の向上や長時間労働の解消、高齢者の就労促進などが挙げられています。

特に長時間労働は、心身が疲弊し過労死を招く原因になることや、ストレスによって社会的生活に順応できなくなるなど、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。そのため、健康的な働き方を維持すること、ひいては健康経営を推進することが、将来の労働力人口の減少を改善する方法として注目されているのです。

では、企業として健康経営を進めていくには、一体何をすればよいでしょうか。次のコンテンツで、実践に向けた4つのステップと、さらにその効果を高める2つのポイントをまとめています。ぜひ、ご覧ください。

■中小企業の健康経営 実践に向けた4つのステップとは?■
https://www.ganbarusite-daido.jp/report/personnel/bp300043/

■中小企業が健康経営の効果を高める2つのポイントとは?■
https://www.ganbarusite-daido.jp/report/personnel/bp300044/

また、昨今、テレワーク(リモートワーク)の導入が広がる中、在宅勤務ならではの体調不良やメンタルヘルス不調が問題視され始めています。テレワーク下の健康管理について、次のコンテンツで産業医が分かりやすく解説しています。こちらもぜひ、ご覧ください。

■テレワークの健康問題 経営者が打てる対策は?■
https://www.ganbarusite-daido.jp/report/personnel/bp300045/

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2020年10月19日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。 「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。

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