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自転車通勤者の3大悩み(汗・駐輪場・ 通勤距離)を解消する方法

社員を大切にしたい 2021年3月23日

従業員にとって大きなメリットがある自転車通勤

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、3密を回避する方法として自転車通勤が注目されています。従業員に自転車の利用を促すためのポイントを解説するシリーズの後編は、自転車通勤をする従業員の悩みを解消する方法を紹介します。

国土交通省や自転車活用推進官民連携協議会によると、自転車通勤の健康面のメリットは次の通りです。

  • 内臓脂肪を燃やし、体力・筋力の維持・増進に役立つ。さらに、がんや心臓疾患による死亡・発症リスクの軽減が期待される
  • 適度な運動に加え、乗車やクルマの移動では得られない心地よさが得られるため、気分・メンタルの向上につながるといわれる

自転車通勤は3密を避けるだけではなく、ダイエットや病気の予防といった身体面の健康増進効果、精神面でもメンタルヘルス不調の予防といった効果も期待できます。これまで満員電車に揺られていた人にとっては、毎日の“痛勤”から解放されることは本当にうれしいことでしょう。

なお、企業にとって自転車通勤を導入するメリットや、その際の留意点などは次のコンテンツで分かりやすく解説しています。

■「新しい生活様式」で注目の自転車通勤 導入時のポイントは?■
https://www.ganbarusite-daido.jp/report/personnel/bp300063/

アンケート調査で明らかになった自転車通勤の「悩み」

一方、自転車通勤にデメリットを感じる人もいます。神奈川県横浜市が2019年11月に、自転車愛好家向けに行ったアンケート調査では、自転車通勤ができない課題、したくない理由として、次のようなものが挙がりました。

アンケート調査から分かるのは、自転車通勤を行う上での「3大悩み」は、「汗が不快、駐輪場がない、通勤距離が遠い」です。そこで、以降ではこの「3大悩み」の解消のために役立つ方法を紹介します。

悩み1:汗の不快さを解消する方法

夏場はもちろん、冬場でも自転車通勤で汗をかきます。冬場は出発当初や信号待ちなどのときに寒く感じるので着込みますが、長時間乗っていたり坂道を登ったりするうちに体が温まり、汗をかきます。汗をかいたままだと、体が冷えてしまいます。そこで、次のような汗対策を行うとよいでしょう。

1)走行が楽な自転車を使う

毎日の「足」となる自転車選びはとても大切です。適切に選べば楽に走行できるようにあり、汗もかきにくくなります。

通勤距離が短いのであれば「ママチャリ」などのシティサイクルでも問題ありませんが、3キロメートル以上の通勤距離があるなら、クロスバイクと呼ばれる、軽量で長距離や坂道にも適したスポーツタイプの自転車がお勧めです。価格帯はシティサイクルより高く、本体のみで5万円程度のものが売れ筋のようです。これに別途、ライトやスタンドなどを付け足していく形になります。中には、前カゴを付けられるタイプのものもありますが、ハンドルの操作性にも影響するので、リュックサックを使用したほうがよいでしょう。

クロスバイクよりも楽に走行したい、もしくは運動不足気味の人には、坂道なども苦にならない電動アシスト自転車(e-bike)が最適です。ただし、一般的にはシティサイクルのタイプで10万円程度から、スポーツタイプでは15万円程度からの価格帯となりますので、盗難対策も徹底する必要があるでしょう。また、道路交通法で電動アシスト自転車の速度の上限は時速24キロメートルと定められています。

2)汗対策に留意した服装をする

自転車通勤をするのに適した服装は、伸縮性に富んで体を動かしやすく、風を通しにくくて湿気を逃がしやすい素材が理想です。冬場は体温を調節できるように、1枚の厚手のものを着るよりも、重ね着をして1枚ずつ脱げるようにするとよいでしょう。職場で着替えることを前提に、サイクルウエアを選べれば理想的です。

また、仕事用の靴は職場に置いておき、通勤時はサイクリングシューズや運動靴、スニーカーに履き替えるだけでも楽になります。特に革靴は、滑ったり、ペダルに漕ぐ力が伝わりにくかったりしますし、革靴の損傷も早くなりますので、できれば避けましょう。

また、どうしてもスーツを着て自転車通勤をしなければいけない場合、伸縮性や速乾性に優れた素材や、自宅で洗濯できるスーツなどを選びましょう。自転車用のウエアを製造販売する「narifuri」などは、自転車通勤者向けのスーツも展開しています。安全面も踏まえ、ズボンの裾がギアなどに巻き込まれないよう、裾バンドをしておくのもよいでしょう。スーツに合った素材や、夜などに光を反射させるタイプのものも販売されています。

3)シャワー室やロッカーの付いた民間施設を利用する

どうしても汗が不快だという人は、ある程度の出費を覚悟した上で、シャワー室やロッカーの付いた民間施設を利用するのもよいでしょう。

例えば東京・千代田区の日比谷公園の地下には、シャワーやロッカー、駐輪場を併設した自転車通勤者向けの施設「HIBIYA RIDE」があります。平日は朝の6時30分から夜の11時まで営業しています。

また、大阪市などには、空きビルを活用したスポーツ自転車専用の会員制駐輪施設「ヴェロスタ」があります。シャワー室はありませんが、着替えブースがあり、自分の駐輪スペースに荷物を置いておくことも可能です。月額6000円(税別)で24時間使用できるため、コスト面で優れているといえます。

この他、自転車通勤者向けの施設でなくても、近くに駐輪場が確保できれば、早朝も営業しているランニングステーションなどを活用するのも手でしょう。

悩み2:駐輪場の悩みを解消する方法

駐輪場の悩みを解決する最も基本的な解決方法は、職場の近くに適当な駐輪場を見つけることです。駅の近くなどは駐輪場が意外とあるものです。しかし、それでも駐輪場が確保できない場合、次のようなことを検討してみましょう。

1)駐輪場のマッチングサイト・アプリを利用する

駐輪場マッチングサイト・アプリの「みんちゅうSHARE-LIN」や「MINIPA」には、駐輪場の運営業者ではない個人などが、空きスペースや、時間帯によって使用していない駐輪場などを、貸し出し用に登録しています。こうしたサイト・アプリを利用することで、職場の近くにある駐輪スペースを探すことができます。

2)折りたたみ自転車を使う

職場に駐輪場がなくても、折りたたみ自転車であれば、社内の空きスペースに置いておけるかもしれません。3万円程度のものもありますが、一般的に低価格のものほど重量があり、乗り心地や走行性の面で中・長距離の利用には向かない傾向があります。また、ギアやカゴ、ライトがないものもあります。折りたたみ自転車の売れ筋であるDAHON(ダホン)ブランドのエントリーモデルは、5万1000円(税別)で販売されています。

3)シェアサイクルを活用する

シェアサイクルを利用すれば、駐輪場の心配は不要です。NTTドコモ傘下のドコモ・バイクシェアは、東京都区部を中心に、自治体が実施主体となっているコミュニティーサイクルの運営も行っています。1回の利用が30分以内であれば月額2000円で何度でも使えるサービスもあるので、通勤時の乗り換えを1回減らして活用することなども可能です。

悩み3:通勤距離の悩みを解消する方法

時速20キロメートルで自転車を走らせた場合、自転車で毎日通勤できるのは10キロメートル(乗っている時間は30分)から15キロメートル(同45分)くらいでしょう。特に、これまで運動する習慣がない場合、いきなり長距離を自転車で走っても長続きさせるのは難しいといえます。

だからといって、自転車通勤を諦めるのも悔しいものです。このような場合、次のような方法で無理のない自転車通勤にトライするとよいでしょう。

1)通勤ルートの一部の区間のみ自転車通勤する

「自宅から職場まで自転車に乗ってこそ自転車通勤」という固定観念に縛られる必要はありません。通勤ルートの一部の区間で自転車を利用するのも、立派な自転車通勤です。一部区間であっても、自転車通勤のメリットは十分に得ることができます。

例えば、従来はバスを使っていた自宅から最寄り駅までの間や、従来は乗り換えをしていた最寄り駅の沿線の駅まで、自転車通勤にすることもできます。また、職場近くで乗り換えが必要であれば、そこから職場までの間で、シェアサイクルを活用するということも考えられます。

2)電動アシスト自転車で長距離に挑戦

スポーツタイプの電動アシスト自転車を使えば、比較的長距離で、運動不足気味の人でも自転車通勤しやすくなります。ただし、前述した通り、道路交通法で電動アシスト自転車の速度の上限は時速24キロメートルと定められているので、24キロメートルを通勤する場合は片道で1時間以上かかります。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2021年3月16日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。 「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。

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