自分で心に壁をつくっていませんか?/朝礼スピーチ
社員を大切にしたい 2022年2月14日
先日、私は子供と一緒に、ある絵本を購入しました。その内容がとても考えさせられるものでしたので、皆さんに紹介します。
その絵本は、大きな赤い壁に囲まれた場所に住んでいる動物たちの話です。主人公である知りたがりの小さなネズミは、壁の向こうに何があるのかが知りたくて、他の動物たちに聞いてみます。しかし、返ってくる答えは、「壁は怖いものから自分たちを守ってくれている」「壁は昔からある、当たり前のもの」「難しいことは考えないほうがハッピーになれる」「壁の向こうは、何もない闇がある」といったものでした。
そうした答えに満足できないネズミは、あるとき壁の外から飛んできた空色の鳥の背に乗せてもらい、壁の外に出てみます。すると、暗くて怖いと思っていた外の世界は、カラフルで夢のような場所だったのです。
私にも、同じような体験があります。皆さんが知っている通り、私はパソコンやITツールを使うのが苦手です。特にSNSやチャットツールに対しては、使い方が難しそうな上に、自分のプライバシーを探られる危険なものだというイメージがあり、長い間使うことを避けてきました。自ら壁をつくっていたわけです。ですが、一度使ってみると、家族や友人と連絡を取ったり、情報収集したりするのに、とても便利だと気付きました。今では、「どうしてもっと早く使わなかったのだろう」とさえ思っています。
先ほどの絵本には、続きがあります。外の世界の素晴らしさを知ったネズミは、他の動物たちにそれを伝えようと元の場所に戻ります。すると、そこに赤い壁はありませんでした。空色の鳥はネズミに、最初から壁なんてなかったことを教えます。壁は、自分自身が勝手につくり出していたものだったのです。
そして、ネズミから壁の外の世界の話を聞いた動物たちも、一匹、また一匹と、壁をすり抜けて外の世界に出ていくのです。
今の時代は新しい技術が次々と登場しています。私のような中高年にとっては、そうした新しいものを受け入れるのには抵抗があり、できることなら避けて通りたいと思いがちです。知らず知らずのうちに、心に壁をつくってしまっているのです。これほどもったいないことはありません。
仕事も同じです。これまでとは違った視点の新商品や新市場、新しい営業ツールを使った営業手法。そうしたものを取り入れていけば、私たちはもっと進化していけるでしょう。新しい可能性に対して壁をつくっているのは、自分たち自身です。
知らない世界を最初は怖いと思うでしょう。しかし、そこにこそ未知の可能性があります。皆さん、勇気を持って一歩踏み出してみませんか? 私も、心につくっている壁を越えていくことを約束します。一緒に、壁の先に待つ、カラフルで夢のような世界を実現していきましょう!
以上