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苦情ではなくクレームを出せる人になろう/朝礼スピーチ

社員を大切にしたい 2021年8月25日

皆さんは、「苦情」と「クレーム」の違いを考えたことがありますか? 苦情には、「他から害や不利益などを被っていることに対する不平・不満」という意味があるそうです。一方、クレームは、苦情と同じ意味で使われることも多くありますが、その語源は英語の「claim」から来ています。このclaimには、「要求する、主張する」という意味があるそうです。

両者の違いが分かるよう、私の経験談を交えて紹介します。私は社会人になりたての頃、ある卸売会社の仕入れ部門に勤めていたことがあります。あるとき、取引先のミスで、予定と違う商品が届いてしまったことがありました。

そのとき、仕入れ部門には、私より少し年上の先輩社員と、一回り年の離れた部門長がいました。検品して、商品が間違っていることを知った先輩社員は、「この忙しいときに何をやっているんだ! これじゃウチの営業部門が販売に行けないじゃないか!」と、納品に来た取引先を怒鳴り散らしました。

すると、近くで作業をしていた部門長がやって来ました。部門長は状況を確認すると、先輩社員の態度を謝罪した上で、「今から御社に戻って正しい商品を取ってきてほしい。営業部門のスケジュールの関係上、○時までに納品してほしい。難しい場合は、営業部門に連絡するので、納品可能な時刻を教えてほしい」と、冷静な口調で取引先に話しかけました。

冒頭の解釈で考えるなら、先輩社員の発言はただの苦情、部門長の発言はクレームです。両者の違い、それは「発言の内容が目的の達成につながるか」というところにあります。

この話の場合、私たちの仕入れ部門の目的は「営業部門が予定通りに、正しい商品を持ち出せるようにする」ことでした。先輩社員の発言は、ただ正しい商品が届かないことへの不平・不満を取引先にぶつけているだけで、何の解決にもなりません。一方、部門長の発言は、目的を達成するために必要な要求が分かりやすくまとまったものでした。

知り合いの経営者などに話を聞いていると、最近は、クレームの受け方が分からないという社員だけでなく、クレームの出し方が分からないという社員も多いそうです。それは恐らく、社員の中に「クレームを出したら、取引先との関係が悪くなるのではないか……」という不安があるからでしょう。

もし、皆さんの中にこうした不安を抱いている人がいたら、取引先と話す前に「自分が発言しようとしている内容が、ただの苦情になっていないか」をよく考えてみてください。そして、苦情になっていないのならぜひ勇気を持って発言してください。ビジネスでは、自社、取引先、顧客全ての関係者がそれぞれ目的を持っています。それを主張することは、何ひとつ後ろめたいことではないのです。

以上

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