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「油を売る」のは怠け者だから? それとも……?/朝礼スピーチ

社員を大切にしたい 2021年12月24日

おはようございます。今日は「油を売る」ということわざについて話をします。一般的なことわざなので多くの人がご存じでしょうが、「仕事の途中で怠ける、無駄話をして時間を浪費する」という意味があります。こうして聞くと悪いことのようですが、実はことわざの由来は、私たちが抱いているイメージとは全く逆なのです。

「油を売る」というのは、江戸時代、女性が髪を整えるための油を売る行商人が、客を相手に長々と世間話をしながら商売をしたことが語源といわれています。しかし、行商人は仕事を怠けたくて世間話に興じていたわけではありません。

当時の油は粘着力が強く、柄杓(ひしゃく)を使って、おけから客の器に移す際、雫(しずく)が途切れるまでに時間がかかる商品でした。そのため、行商人は油を客の器に移し終えるまでの間、世間話をすることで客を退屈させないようにしていたのです。彼らの仕事をよく知らない人には、仕事に真面目に取り組まず怠けているように見えたのかもしれませんが、行商人は客のことを真剣に考えていたわけです。

実際のビジネスに置き換えて考えてみましょう。例えば、皆さんが商品の営業部門にいて、他の社員は営業成績を上げているのに、皆さんの成績がなかなか上がらないとします。その場合、上司は皆さんに対し、「仕事に真面目に取り組まず、怠けているのではないか」と不信感を抱くかもしれません。

しかし、もし皆さんが現在、商品を売ることよりも、客がどんな商品を欲しいかという情報を集めることに注力しているのだとしたら、話は変わってきます。仮に将来、収集した情報を基に新商品の開発プロジェクトを組むことを計画しているのだとしたら、上司は皆さんのことを「客のことを真剣に考え、会社の未来のことを考えている頼もしい社員」と評価するかもしれません。

ここで大切なのは、「新商品の開発プロジェクトを組む計画があるため、今は情報収集に注力しています」と、あらかじめ上司に連絡しておくことです。その場合、上司は皆さんのことを怠け者とは決して思いませんし、開発プロジェクトを成功させるために協力を惜しまないでしょう。

しかし、上司に真意が伝わっていない場合、皆さんが頑張っているだけでは、上司との溝はなかなか埋まりません。客のために世間話をしていた油売りの行商人が、「怠け者」のレッテルを貼られてしまうのと同じです。

ですから皆さん、自分が客のために何をしたいのか、積極的に言葉に出すようにしてください。昨今はわが社でもリモートワークが始まり、オフィスにいるときよりも、お互いの顔が見えにくくなっています。だからこそ、お互いが大いに夢を語り、その夢を応援し合って、会社を盛り上げていくことが大切なのです。不言実行ではなく、有言実行の文化を皆さんで一緒につくっていきましょう。

以上

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