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豊臣秀吉に学ぶ「相談をやめる勇気」/朝礼スピーチ

社員を大切にしたい 2022年2月7日

今朝は、入社3年目から5年目の中堅社員の皆さんに集まっていただきました。皆さんは上司に相談をしたとき、「そのくらい相談しなくても分かるだろう!」と突っぱねられたことはありませんか? 「いつも『困ったことがあれば聞け』と言うくせに……」と不満に思っている人もいるかもしれません。今日はそんな皆さんに、豊臣秀吉のエピソードを紹介します。

秀吉は低い身分の生まれで、もともとは織田信長の草履取りでした。しかし、才能のある者を積極的に登用する信長から機転の良さを評価され、城持ちの大名にまで出世していきます。一方で信長は、自分に従わない家臣に対して非常に厳しく、秀吉にもその怒りを向けたことがあります。

信長が中国地方への進出に注力していた頃、備前の武将、宇喜多直家(うきたなおいえ)が「信長に服従したい」と秀吉に申し出てきました。秀吉はこれを承諾し、直家の本領安堵(領地の所有権を認めること)の書状をもらおうと、信長のいる安土(あづち)に出向きます。このとき信長は、秀吉が自分に相談せず、直家の服従の手続きを進めようとしたことに怒り、安土にやって来た秀吉を追い返してしまいます。

しかし、一刻も早く中国地方に進出したい信長にとって、直家を獲得できることは大きなメリットでした。その後、信長は「戦に勝利することが何より重要だ」という手紙を送ってすぐに秀吉を許し、直家の服従を認めたといわれています。

各地方の武将が虎視眈々(たんたん)と天下を狙っていた戦国時代において、意思決定の遅さは命取りでした。だからこそ、秀吉は「信長は直家の服従を認める」という確信を持って、あえて相談せずに手続きを進めたのでしょう。

私がこのエピソードを通して皆さんに伝えたいのは、「上司に相談することの意味」をよく考えてほしいということです。皆さんの中には、論理的に考えて1つしか答えがないことをわざわざ上司に相談する人がいます。しかし、答えの分かりきっていることに時間を割くのは、はっきり言って時間の無駄です。皆さんも上司も、他の仕事に割けたはずの時間を浪費し、その結果、つかめたはずの貴重なビジネスチャンスを逃してしまうことになりかねません。

「答えは分かっているけど、なんとなく自分の仕事の進め方に自信がない」という気持ちは分かります。しかし、皆さんはもう新入社員ではありません。論理的に考えて1つしか答えがないことなら、自分を信じて、仕事を進めてください。

もちろん、初めて取り組む仕事など、上司と相談をしながら慎重に進めなければならないこともあります。しかし、皆さんはやがて、ビジネスの重要な案件について、皆さん自身で決定しなければならない立場に立ちます。だからこそ、今のうちから「無意味な相談をやめる」訓練をしてください。皆さんの勇気に期待しています。

以上

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