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健康経営度調査とは? 回答方法や調査内容を解説

社員を大切にしたい 2021年10月20日

健康経営度調査は、経済産業省が企業に向けて毎年実施する、

健康経営の取り組み状況と経年での変化を分析するために行われる調査

です。企業の回答内容は、「健康経営銘柄」の選定や「健康経営優良法人(大規模法人部門)」の認定のために使用されます。
上場企業や大企業向けの調査と思われがちですが、中小企業も、調査に回答することで、自社の健康経営で何から始めればよいのか、健康経営の実践で何が重視されるのかが分かります。また、回答内容を分析した評価結果(フィードバックシート)が届くため、自社の健康経営の進捗度や、改善に必要なポイントなどを知ることもできます。

この記事では、健康経営度調査の概要や回答方法とともに、調査内容についても解説します。

健康経営度調査とは

健康経営度調査は、前述の通り、経済産業省が企業の健康経営の取り組み状況や、「健康経営銘柄」「健康経営優良法人(大規模法人部門)」認定のための基礎情報を得ることを目的として行われています。
ちなみに、健康経営銘柄は、東京証券取引所の上場企業の中から、健康経営に優れた企業を選定し、投資家にとって魅力ある企業として紹介する制度です。健康経営優良法人(大規模法人部門)は、特に優良な健康経営を実践している大企業を顕彰する制度です。
健康経営度調査は、この2つの制度に活用されるだけでなく、中小企業の健康経営にも大きく活用できます。

健康経営度調査は、専門家による委員会が議論し、毎年アップグレードされるため、「健康経営について興味を持ったが何から始めればよいのか」といった課題を持つ企業であれば、調査票に回答することで、

  • 今、従業員の健康管理に求められていることは何か
  • 今、健康経営を実践するに当たって何が重視されるのか
  • 何から取り組めばよいのか
  • 自社ができていることと、できていないことは何か

が分かります。

また、回答を期日までに提出すると、健康経営の実践レベル等を分析した評価結果(フィードバックシート)が送付されます。フィードバックシートは、回答内容を基に、自社の健康経営の取り組みを改善する上で必要な情報を整理してくれます。そのため、調査票の中に答えられない項目があって一部未記入でも、そのまま提出することをお勧めします。
回答企業数は年々増え続けており、2021年度調査では、上場企業970社、非上場企業1553法人が回答しています。

健康経営度調査のフィードバックシートとは

フィードバックシートは、

  • 経営理念・方針
  • 組織体制
  • 制度・施策実行
  • 評価・改善
  • 法令順守・リスクマネジメント

という5つの評価項目について、自社の取り組みが偏差値で評価され、回答企業中の総合順位が分かったり、評価項目ごとの回答企業全体トップ・業種トップ・業種平均との比較ができたりします。
また、過去に回答していれば、直近5回の自社の偏差値や総合順位の変遷なども知ることができます。フィードバックシートのサンプルは、経済産業省のウェブサイトから確認できます。

■経済産業省「健康経営度調査について」■
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeieido-chousa.html

健康経営度調査に回答する方法

健康経営度調査に回答する際には、調査票を入手し、必要事項を記入します。まずは、その年度の健康経営度調査票の電子データを入手しましょう。
上場企業の場合は、受付開始時に郵便もしくは電子メールで案内が送付されますし、過去に調査に回答したことがある非上場企業は、以前登録したメールアドレス宛てに案内が送付されます。
その他の企業は、「健康経営優良法人認定制度 ID発行サイト」にアクセスし、企業名やアドレスを登録します。登録が完了したら、専用ページにアクセスして調査票をダウンロードすることができます。

■健康経営優良法人認定制度 ID発行サイト■
http://enq.nikkei-r.co.jp/e/22hc/

調査票に必要事項を記入し、電子データを専用サイトにアップロードすれば提出が完了します。
なお、健康経営度調査はその趣旨から、企業の人事、労務部門等「従業員の健康の保持・増進」に関係する担当者が回答することが求められています。回答の際は、必要に応じて経営層などとの調整が必要になることもあるでしょう。

健康経営度調査の内容(5つのフレームワーク)

健康経営度調査は5つのフレームワークで構成されており、それぞれ次のようにウエートを設定しています。

それぞれ、簡単に解説していきます。

1)経営理念・方針

経営理念・方針はウエートが3となっており、健康経営度調査において重要な要素です。

  • 健康経営の推進に関する全社方針を社内向けに明文化しているか
  • 健康宣言など健康経営の方針を社外にも発信しているか

といった点が評価されます。

2)組織体制

組織体制はウエートが2となっており、

  • 企業における健康経営推進の最高責任者が経営トップかどうか
  • 健康経営施策の実施に当たって、産業医または保健師がどの程度関与しているか
  • 健康保険組合などに対して、40歳以上の従業員の健康診断のデータを提供しているか

といった点が評価されます。

3)制度・施策実行

制度・施策実行はウエートが2となっていますが、健康経営度調査の中で最も設問数が多く、健康経営の具体的な推進計画から喫煙対策まで幅広い点が評価される項目です。

  • 自社従業員の健康課題を踏まえ、健康経営の具体的な推進計画等を定めているか
  • 任意健診・検診(人間ドック、がん検診、肝炎ウイルス検査等)の受診率を向上させるために、どのような取り組みを行っているか
  • 従業員の健康意識の向上を図るために、健康保持・増進に関する教育をどのように行っているか
  • 適切な働き方(ワークライフバランス)の実現に向けて、どのような取り組みを行っているか
  • 食生活改善や運動習慣の定着に向けた具体的な支援(研修・情報提供を除く)として、どのような取り組みを行っているか
  • 高齢従業員特有の健康課題に特化した取り組みを行っているか
  • 新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた対応策として、どのような取り組みを行っているか
  • 従業員の喫煙率を下げるために、どのような取り組みを行っているか

といった点が評価されます。

4)評価・改善

評価・改善はウエートが3となっており、健康経営においてPDCAサイクルの確立が重要であることを示しています。

  • 今年度の健康経営の推進方針を検討するにあたり、昨年度までの健康経営の実施についてどのように効果検証を行っているか

といった点が評価されます。

5)法令順守・リスクマネジメント

法令順守・リスクマネジメントについては、定量値ではなく適否判定のため、ウエートは設定されていません。

  • 定期健診を実施していること
  • 50人以上の事業場においてストレスチェックを実施していること
  • 労働基準法または労働安全衛生法に係る違反により送検されていないこと

といった点が満たされているかどうかを評価されます。

健康経営度調査のサンプルは、経済産業省のウェブサイトから確認できます。

■経済産業省「健康経営度調査について」■
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeieido-chousa.html

2022年度健康経営度調査の概要・ポイントは?

2022年度健康経営度調査の回答・申請期間は、【2022年8月30日~10月25日17時】となっています。質問数は2021年度調査が198問と最多だったのに対し、2022年度調査は177問に減少しました。
2021年度から、新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた対応策として、どのような取り組みを行っているかが評価項目に加えられました。2022年度調査では、職場での対策だけでなく、ワクチン接種を受けやすい環境整備や支援についても評価対象となりました。
また、従業員の喫煙率を下げるために、どのような取り組みを行っているかが評価対象に加わったことも、大きなポイントです。

今後の健康経営に関する情報開示の動向

近年、投資家の間で注目されているESG投資(環境・社会・ガバナンスを考慮した投資)では、企業の情報開示が不十分であることが課題として挙げられています。
そこで経済産業省は、2022年度健康経営度調査から、開示の意向についての設問を追加しています。そして、健康経営優良法人(大規模法人部門)の中でも上位の法人である「ホワイト500」になるには、フィードバックシートと一部回答を「開示可」とすることが条件になっています。
現状では大企業に求められている動きですが、中小企業も今後、取引先や投資家から健康経営に関する情報開示が求められるようになるかもしれません。

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以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2021年9月17日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。 「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。

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