この記事のタグ: PHRサービス 健康管理

経営者に知ってほしいPHRサービス <第2回:糖尿病の付き合い方を変えるPHR>

社員を大切にしたい 2021年3月4日

前回のコラムでは、糖尿病とうまく付き合っていくために、「日々の血糖値等の継続的な記録」や「主治医の先生とのコミュニケーション」が大切とお話しました。今回は、それらを簡単・便利にする新しいサービスをご紹介します。

PHRとは?

最近注目されている「PHR」という言葉をご存知でしょうか。「Personal Health Record」の略で、そのまま日本語にすると「個人での健康記録」となります。例えばジョギングの距離や時間を記録したり、ダイエットのために毎日体重を記録したりすることなどもPHRの一種です。
では、なぜ今PHRが注目されているかというと、スマートフォンのアプリを利用することで、記録や管理がずいぶんと簡単・便利になってきたからです。このコラムをご覧の方の中には、大同生命のアプリ「KENCO SUPPORT PROGRAM」を利用して、毎日歩数や食事を記録されている方もいらっしゃると思います。

日本では少しずつPHRが浸透しつつある状況ですが、米国ではすでに10年以上前からこのようなサービスが利用されていました。これには、一般的に米国では治療費の自己負担が日本に比べて大きいことや、病院まで遠く頻繁に診療に行けないことなど、病気の自己管理が重要な米国ならではの事情や考え方があると思います。私は米国でPHRサービスの広がりを目の当たりにし、「これはいずれ日本でも普及させていかなければならない」と思い、当社独自のPHRサービス「Welbyマイカルテ」を開発し、広く皆さまにご利用いただくこととしました。

糖尿病との付き合い方が変わる

さて、このWelbyマイカルテを利用すれば、糖尿病との付き合い方がどのように変わるのか。まず、ご家庭で自己血糖測定器(SMBG)を利用すると、測定結果が自動的にアプリに連携されますので、ご自身で血糖値を記録する手間が不要となります。また、記録を漏らしたり、誤って記録したりすることもなくなり、効率的かつ衛生的にデータを蓄積することができるようになります。血糖測定器のほかにも、活動量計・歩数計などの活動データや、体重計・血圧計などのバイタルデータも同様に、IoTでアプリに自動連係される仕組みになっています。
さらに、主治医の先生がWelbyマイカルテを導入されている場合、ご自身がアプリに記録されたデータをクラウド上で共有することが可能です。
つまり、糖尿病の方が診察時以外に記録した血糖値などのデータを、主治医の先生がデジタルデータとして確認できるようになるのです。食事や運動などの記録も確認することができますので、今まで診察時には分からなかった日常の行動記録をもとにアドバイスを受けることができます。主治医の先生も前もって記録を確認することで、診察時に、より効果的・効率的なアドバイスが可能となります。なお、主治医の先生がWelbyマイカルテを導入されていない場合でも、診察時にアプリのデータを提示することで、同様のアドバイスを受けることが可能となります。全国の病院やクリニックのうち、20,600医療機関(2020年12月末現在)で、Welbyマイカルテが利用・導入されています。
また、2019年の日本糖尿病学会で、Welbyマイカルテの利用が血糖値の基準となるHbA1cの改善に影響を与えることが報告されるなど、学術的な裏付けも進んでいます。(参考:https://welby.jp/post-12400/

Welbyマイカルテの3つのメリット

このWelbyマイカルテは糖尿病の治療に限らず、高血圧症などの生活習慣病の予防や健康増進といった段階で活用いただくことも可能で、大きく「3つのメリット」があります。
1つ目は、血糖・血圧や体重などをしっかりと「自己管理ができる」ということです。電子カルテや過去の健康診断のデータを取り込むことで、健康への意識を高めることができます。スマホさえあれば、「手軽に」「個人単位で」ご自身の健康状態を確認できるのは非常に大きなメリットです。
2つ目は、主治医などとデータを共有し「コミュニケーションがとれる」という点です。電子メールやSNSでも情報共有はできますが、健康や治療に関する情報は非常にデリケートなので、誤ってそれが漏洩・拡散されるようなことがあってはなりません。このため、きちんと医師が診察室にあるパソコンで見る、企業であれば産業医だけがアクセスできるなど、個人情報をしっかり保護した形で適正に情報をやりとりする、というのはPHRの重要な点です。我々が医療用にサービスを開発した価値は、そうした厳正な情報の取扱にもあります。
3つ目は「健康情報を集約できる」という点です。A病院からB病院に転院しても診療情報は連携されませんが、PHRに情報を集約することでそれが可能になります。アプリを通じて病院同士をつなぐことができる。また、企業健保とも連携して、病院で過去の健診データを見せることができますし、転職先にデータを引き継ぐこともできます。

様々なシーンでPHRを活用する

「引越しをして通院先の病院が変わった」「健康診断の受診機関が変わった」といったときも、Welbyマイカルテでご自身が管理している情報を共有することで、病院や医師側でこれまでの経緯が簡単に・正確に把握でき、適切な治療、健診が受けられるようになります。

さて、次回は、経営者の方々にPHRサービスを活用いただく意義についてお話したいと思います。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2021年2月25日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
株式会社Welby 代表取締役 比木 武

○株式会社Welby(ウェルビー)

所在地:東京都中央区日本橋本町二丁目7番1号
設立:2011年9月(2019年3月東証マザーズ市場上場)
事業内容:患者向け治療支援デジタルサービス(PHR)の企画・開発・運用
Webサイト:https://welby.jp/

○代表取締役 比木 武(ひき・たける)

1996年、同志社大学法学部卒業後、住友商事株式会社に入社。米国ハイテクベンチャー企業の日本進出の共同事業を担当し、CATV業界を中心に、シリコンバレーの企業の日本マーケット向け事業開発・商品開発・プロモーションを行う。同社を退職後、米国ヴァージニア大学でMBAを取得。2007年より、楽天株式会社にて、事業戦略や組織改革の業務に従事。2008年に同社を退社し、医療従事者向けのOnline Communityの立ち上げに参画。2011年にWelbyを創業。

関連記事