印紙税の意味と、納付忘れの場合に課されること

リスクにそなえたい 2020年12月6日

なぜ、領収書や契約書に収入印紙を貼る?

領収書を発行したり、契約書を作成したときなどに、収入印紙を貼ることがありますが、これは印紙税を納付するために行っているものです。

印紙税は、日常の経済取引に伴って作成する契約書や、領収書などの金銭の受領書といった文書に課税される税金です。通常、税金の納付というと税務署などに現金で支払うイメージがあるため、「収入印紙を貼る=納税」という感覚がないかもしれません。そのため、印紙税については他の税金と比べると、あまり注意が払われていないこともあるようです。

しかし、印紙税は税金である以上、しっかりと手続きを取らなければなりません。また、税務調査でも不備を指摘されることも多いので注意が必要です。

印紙税が課される文書は?

印紙税の課税対象となる文書を「課税文書」といいます。課税文書は、特定の契約書や領収書など、全20種類あります。

課税文書に該当するか否かは、文書に付けられたタイトルなどではなく、その内容によって判断します。実務上、特に注意が必要なのは契約書です。契約書は、「○○に関する契約書」「契約書」「覚書」など、タイトルを自由に決めることができます。そのため、タイトルだけを見ても課税文書に該当するか否かを判断できないことが多いのです。

例えば、タイトルが「覚書」とあり、一見、課税文書ではないように見えるものでも、内容を確認すると7号文書の継続的取引の基本契約書に該当するといったケースもあります。

契約書については、その内容も確認して、課税文書に該当するか否かを判断するようにしましょう。また、判断が難しい場合は、顧問税理士や税務署に書面の内容を確認してもらってもよいでしょう。

印紙税額は?

印紙税額は、課税文書の種類によって異なります。また、同じ課税文書であっても、そこに記載されている金額など、一定の要件によって印紙税額は異なります。

例えば、領収書が該当する17号文書の印紙税額は受領金額によって次の通り定められています。

課税文書の種類や印紙税額は、国税庁がウェブサイト上で「印紙税額一覧表」などの資料を公開しているので、参考にするとよいでしょう。

印紙税の納付方法は?

原則として、印紙税は課税文書に収入印紙を貼って納付します。ただし、単に収入印紙を貼っただけでは駄目です。その収入印紙が使用済みであることを示す消印を、収入印紙と課税文書の双方に掛かるようにしなければなりません。

仮に、正しい金額の収入印紙を貼っていたとしても、消印がないと印紙税を納付していないことになるので注意しましょう。

印紙税を納付していない場合は?

課税文書であるにもかかわらず、収入印紙を貼っていないなど、印紙税を納付していない場合には、本来、納付するべき印紙税額と同額または3倍の過怠税が課されます。

具体的には、収入印紙を貼っていても消印がない場合は「納付すべき印紙税額と同額」の過怠税が、収入印紙を貼っていない場合は「納付しなかった印紙税額+その2倍に相当する金額の合計額」(すなわち印紙税額の3倍の金額)の過怠税が課されます。

ただし、収入印紙を貼っていないことについて税務調査を受ける前に自己申告した場合は、「納付しなかった印紙税額+その10%に相当する金額の合計額」(すなわち印紙税額の1.1倍の金額)に過怠税が軽減されます。

なお、印紙税が納付されているか否かと、課税文書の有効性は無関係です。そのため、例えば、印紙税額200円となる10万円の受取金額が記載された領収書に、収入印紙が貼られていなかったとしても、その領収書の内容自体は有効と認められます。

以上
(監修 税理士法人アイ・タックス 税理士 山田誠一朗)

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2020年8月26日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

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