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今日から職場で実践できる地震に備える防災対策

リスクにそなえたい 2017年9月11日

会社の防災対策は日ごろの訓練と備えが重要

「防災の日」の9月1日には、全国各地の自治体や会社、学校などで避難訓練が実施されました。VR(仮想現実)を取り入れて、火災現場を疑似体験する避難訓練を行ったところもあるようです。

避難訓練で大切なのは、できるだけ実際に災害が発生したことを想定して真剣に取り組むことです。社員が参加する避難訓練の場合、必ずヘルメットやスマートフォン(携帯電話)、財布を身に着けることを徹底するなどの働き掛けが効果的でしょう。

また、会社の防災対策では、訓練だけでなく、日ごろからオフィス家具の転倒防止や備蓄などに取り組んでおくことが大切です。本稿では、地震を想定して今日から実践できる防災対策の例を紹介します。地震以外のさまざまな災害にも応用できるでしょう。

対策1:職場内の安全対策は、「固定」「整理整頓」で実現

地震のときには、キャビネットやパソコンなどのオフィス家具や什器が転倒し、社員の生命を脅かす危険物となる恐れがあります。転倒・落下・移動防止対策や、避難することを想定して、事前に対策を講じておいたほうがよい点は次の通りです。

  • 全てのオフィス家具や什器を点検し、固定しておく。
  • コピー機のキャスターや壁掛けの絵、時計なども忘れずに固定する。
  • 窓ガラスに飛散防止フィルムを貼る。
  • 避難しやすいよう、デスクの下や出入り口付近に物を置かない。
  • 経営者や上司などが、定期的に一人一人のデスクの下を点検する。

対策2:避難経路は、複数のルートを実際に歩いて確認

自治体などから避難命令が出た場合や、建物の耐震性が低い、津波や土砂崩れに巻き込まれる恐れがある場合などは、速やかに避難しなければなりません。避難場所と避難経路は事前に必ず確認しておきましょう。主な確認方法は次の通りです。

  • 「一時集合場所」「広域避難場所」「避難所」を確認しておく。
  • 実際に、事前に避難場所まで歩いておく。
  • 避難経路の危険箇所(ガラス張りのビル、湾岸沿いなど)の有無を確認する。
  • 複数の避難経路を覚えておく。
  • 経営者や上司などは避難訓練とは別に、課ごとなどに避難経路を歩かせておく。

対策3:飲食料や日用品の備蓄は、長期化・地域住民分にも考慮

一般的には、避難生活の場合、少なくとも1人当たり3日分の食料と水の備蓄が必要とされますが、孤立状態の長期化や地域住民への提供なども考慮して飲食料や日用品は多めに備蓄しておいたほうがよいでしょう。主な備蓄対策は次の通りです。

  • 社員全員分の非常用持ち出し袋(以下「袋」)を用意する。
  • 袋には非常食と水、懐中電灯、包帯など、救助用品、冷暖グッズなどを入れておく。
  • 経営者や上司などが一人一人の袋の置き場所を確認する。
  • 歯磨きセット、せっけん、予備電池、生理用品などの生活用品も備蓄する。
  • 備蓄した飲食料の賞味期限を定期的に確認し、入れ替える。

対策4:訓練では、社員に「体感」させることが必要

大地震は、いわば非常事態です。そういうときほど、普段から身に付いていないことは実践できません。地震に備えて社員全員参加の訓練を定期的に行い、地震が発生したときの行動を体に覚えさせることが大切です。主な訓練方法は次の通りです。

  • まず、デスクの下に身を隠し、身を守ることを徹底する。
  • 避難時にはエレベーターを使わないことを徹底する。
  • 避難時にはヘルメットを装着することを徹底する。
  • スマートフォン(携帯電話)と財布をすぐに身に着けることを徹底する。
  • 安否確認訓練、職場から歩いて帰る帰宅訓練も事前にやっておく。

対策5:地域や取引先とは、連携して災害を乗り越える体制を構築

地震のときには、地域住民や取引先と力を合わせて消火・救助活動、救援物資の提供などを行うことが求められます。普段から連携を進め、いざというときに協力できる体制を築いておくようにしましょう。主な対策は次の通りです。

  • 市区町村などの自治体や、町会などと防災に関する協定を交わす。
  • 共同ビルの場合、ビルの管理会社に防災対策を確認しておく。
  • 共同ビルの場合、他の会社や店舗などと地震発生時の役割を確認しておく。
  • 顧客や取引先の連絡先を一覧にまとめ、各連絡担当者を複数名決めておく。
  • 顧客や取引先などと、地震発生後の対応についてあらかじめ決めておく。

対策6:安否確認は複数の手段を確保し、社員の家族にも徹底

大地震のときには安否確認に時間がかかることが予測されるため、複数の方法を用意したほうがよいでしょう。また、社員には、家族との安否確認方法も事前に決めさせておくとよいでしょう。主な安否確認の方法は次の通りです。

  • 災害伝言ダイヤル(171)と災害伝言板を使えるようにしておく。
  • ツイッターやフェイスブックなどの活用法も事前に調べておく。
  • 公衆電話の場所を把握しておく。
  • 職場や自宅から離れた地域の親戚や知人などを連絡先に加える。
  • 経営者や上司などは、社員に家族との連絡手段が決まっているか確認する。

対策7:帰宅困難者は「出さない」「迷わせない」「受け入れる」を実践

大地震発生後、無理に帰宅すると二次災害につながることがあります。あらかじめ帰宅の基準(家族と連絡が取れない場合など)を決めておき、それ以外は待機させることを検討しましょう。どうしても歩いて帰る場合の主な備えは次の通りです。

  • 帰宅ルートを事前に必ず確認しておく。
  • 途中にあるトイレ、帰宅困難者の受け入れ施設などの場所を確認しておく。
  • 自宅が同じ方面の社員を社内で把握しておく。
  • 職経営者や上司などは、職場にスニーカーを置いてあるか一人一人に確認する。
  • 自社に帰宅困難者を受け入れることも考慮して、毛布などを余分に用意しておく。

繰り返しになりますが、防災対策は、いざというときに社員が実践できなければ意味がありません。また、大地震などの災害はいつ発生するか分かりません。「準備するつもりだったのに……」では遅いのです。今日できることからすぐに備えていきましょう。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2017年9月5日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

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