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2016年3月21日

できる人が実践している「70%の仕事術」

組織運営 経営者 部下育成

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自分で考え、行動するということ

ある程度の経験を積んだ中堅社員は、徐々に自分で考えて行動することを上司から求められるようになります。

例えば、営業を担当する中堅社員の場合、自主的に販売目標とそれを達成するための戦略を考え、上司に報告・相談することが求められます。最終的には上司の承認が必要ですが、それまでの「上司から指示を受けて遂行する」といったやり方から、「自分で考え、上司の承認を受けて遂行する」といった業務の進め方に変わることは大きな変化です。

品質と時間(スピード)のジレンマ

中堅社員は、複数の業務を組み立てて形にしていかなければなりません。その際、非常に重要となるのが「品質」と「速度」のバランスです。

「品質と速度のどちらを重視しますか?」と質問されたときに、「高品質こそが重要である!」とか、「素早い対応こそが重要である!」といったように、二者択一のイメージで考えてはいけません。確かに品質と時間は二律背反の関係にあることが多く、品質を高めると時間がかかり、時間を短縮すれば品質が低くなりがちです。

しかし、片方を重視するからといって、もう片方をないがしろにしてよいというわけではありません。ビジネスでは品質も速度も非常に重要です。中堅社員は、「その時点で求められる品質のレベルを把握し、時間内に業務を仕上げる」といったバランス感覚を養っていかなければなりません。

「プロダクト・ライフ・サイクル」の考え方

中堅社員が業務の品質と速度のバランスを検討する際、マーケティング分野でよく用いられる「プロダクト・ライフ・サイクル」のフレームワークが参考になります。

これは、時間の流れによる製品の売上高(市場規模)の変化を「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」の4つの段階に分けたもので、各段階における企業のマーケティング戦略の立案をサポートするものとして重用されています。

プロダクト・ライフ・サイクルのイメージ

一般的には、プロダクト・ライフ・サイクルが導入期にあるときに企業が最も重視すべきは「速度」だと言われます。まだ競合が少ないうちに市場に参入し、先行者の有利を生かしてシェアを拡大することが重要であると考えられているからです。

一方、プロダクト・ライフ・サイクルが成長後期から成熟期まで進むと、既に市場には類似する製品が行きわたっているため、他社と同じことをしても勝ち残れません。そのため、ここでは、ある程度の時間をかけて品質を見直すなどして、他社との差別化を図ることが一つの戦略となります。

このように、プロダクト・ライフ・サイクルの段階によって品質と速度のバランスが変化していくことが分かります。

「業務ライフサイクル」に落とし込む!

先のプロダクト・ライフ・サイクルの考え方は、中堅社員が業務の品質と速度のバランスを考えるときにも応用することができます。具体的には、プロダクト・ライフ・サイクルを「業務ライフサイクル」に落とし込んで考えてみるのです。

「業務ライフサイクル」のイメージ

「業務ライフサイクル」を営業活動に落とし込んで一例を紹介します。

1)導入期:速度を重視

導入期は、新製品のテストマーケティング、新しい見込み客の選定など、営業の初期段階です。ここでは、速度を重視し、アイデアをどんどん形にして、実際の行動に移すことが重要です。

2)成長期:効率を重視

成長期は、積極的に営業活動を展開し、顧客を増やしていく段階です。ここでは、取りこぼしが出ないように、品質と速度のバランスを取って効率的に活動することが重要です。

3)成熟期:品質を重視

成熟期は、新規獲得が一段落し、既存の顧客との関係維持を重視する段階です。例えば、アフターサービスの品質を高めるなどします。品質を確保するために、多少速度を落としても問題ありません。

4)衰退期:省力を重視

衰退期は、一連の活動が定時定形的な業務に落とし込まれた段階です。当面、大きな動きは発生しにくいので、できるだけ少ない資源で、安定的かつ継続的な活動の実現が重視されます。

70%の仕事術

「業務ライフサイクル」を意識し、個々の業務がどの段階にあるのかを考えることで、品質と速度の目安を得ることができます。

加えて、もう一つ中堅社員が心掛けたいのが「70%の仕事術」です。中堅社員には自分で考え、行動することが求められるとはいえ、最終的には上司の承認が必要であり、通常はその段階で何らかの修正が入ります。この点を考慮し、品質が70%に達した段階で上司に相談し、必要に応じて軌道修正するというのが「70%の仕事術」です。

何事も100%の完成形に近づくほど修正が困難になりますが、70%の完成度なら、まだ修正は容易です。また、品質が70%の段階で一区切りつけている分、時間的な余裕もあり、上司の修正指示にもきちんと対応することができます。なお、70%は感覚的な数値ですが、例えば「自分なりの考えはまとまっており、上司に確認したい事項が2~3個、残っている状態」といえるでしょう。

「70%の仕事術」の目安

以上

※上記内容は、本文中に特別なことわりがない限り、2016年3月22日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。 「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。

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