この記事のタグ: マナー 部下育成

コピーの渡し方で分かる気付く人と気付かない人の違い

競争力のある会社にしたい 2016年3月12日

コピーの渡し方の違い

とある会社の営業企画課では、課長以下数名のメンバーの下、新製品の販売計画の素案作りに関する会議が行われています。目の前のテーブルには、競合製品や市場動向を取り上げた新聞や雑誌などの関連資料や、過去の社内資料などが乱雑に積まれています。

会議後、課長は部下である中堅社員のAさんに、テーブルの上の資料をかき集めて手渡しながら、「ふせんを付けたページをコピーして、参加メンバーに配布しておいてくれ」と指示しました。そこで、Aさんは、課長に手渡された順番のまま、資料のコピーを取って参加メンバーに配布しました。

その翌日。同じ会議の後、課長は、前日と同様の指示を、中堅社員のBさんにしました。すると、Bさんは、コピーした資料を「新聞」「雑誌」などの出典別、かつ時系列に整理した上で、出典別に「雑誌資料」「社内資料」といったふせんを付けて参加メンバーに配布しました。

両者の違いをどう思いますか?

こうした光景はオフィスでは珍しくはありません。両者の対応を比較すると、もちろん、コピーされた資料を使う人のこと(調べやすさや使いやすさなど)に配慮しているBさんのほうがよい対応ということになるのですが、問題は、この事例をみてどのように感じるかです。もし、「確かにBさんの対応のほうがよいが、ささいなことだ」と軽く考えたのであれば注意が必要です。実は、上司など会社の視点からみると、AさんとBさんの対応の違いは非常に大きな問題なのです。

仕事を進める上では、顧客、取引先、社内の人など、その仕事にかかわる人たちのことを考え、常に細かい配慮をしなければなりません。そして、細かい点にまで目が届き、配慮ができる人、あるいは配慮しようと心掛けている人(以下「気が付く人」)というのは、コピー取りなどのちょっとした業務であっても、大口顧客との商談といった緊張を強いられる場面であっても、常にそうした気配りができるものです。

一方、そうした配慮ができない人(以下「気が付かない人」)というのは、業務の重要性にかかわらず、仕事の端々に配慮の足りなさが出てきます。「重要業務の際には気が付く人、そうではない業務のときには、気が付かない人になる」といったような“使い分け”はできません。

そのため、多くの上司は、コピー取りというちょっとした仕事であっても、AさんとBさんのような違いには注目しています。

そして、Bさんのような気が付く人であれば、重要な業務であっても安心して任せることができる人材、Aさんのような気が付かない人であれば、重要な業務を任せるには心もとない人材という評価をします。

そのため、気が付く人と気が付かない人というのは、中堅社員の評価を分ける大きな分岐点のひとつとなるのです。以下では、気が付く人を目指すための基本的な考え方を紹介します。

気が付く人になるためには

気が付く人になるために何よりも大切なことは、「相手の立場で物事を考え、行動する」ということを徹底することです。これは、当たり前のことのようですが、常に実践し続けることは、意外と難しいものです。例えば、「『顧客第一主義』といいながら、自社(自分)の都合ばかりを優先し、十分な対応ができなかった」などのように自分本位で仕事をしてしまった経験はないでしょうか。

気が付く人になるための第一歩は、いかなるとき、いかなる仕事においても、相手の立場で物事を考え、行動するということを徹底することです。

“仕事ができる人”を観察し、まねをする

また、“仕事ができる人”といったように周囲から評価の高い人が、身近にいれば、その人の仕事ぶりに注目して、じっくりと観察してみることも大切です。前述したように、上司は、重要な業務ほど気が付く人に任せるようになります。そのため、そうした業務で実績を重ね、周囲から一目置かれるような“仕事ができる人”は、気が付く人という点においても優れた人なのです。

従って、“仕事ができる人”を注意深く観察していると、顧客、取引先、社内の人など、その仕事にかかわる人たちのことを考えて、さまざまな細かい配慮をしているはずです。そうした中から、顧客から喜ばれ、評価されている取り組みなど、自分では気が付かなかったことは、積極的に取り入れて実践するようにするとよいでしょう。

また、その際には、単にまねをするだけではなく、必ず「なぜ、あの人は、そういうことをしているのだろう」と考えてその理由を理解することも大切です。

継続することが大切

多くの気が付く人は、実は「常に気が付く人でいるようにしよう」と、強く意識しているわけではありません。もちろん、意識していないということではないのですが、むしろ、「『顧客、取引先、社内の人など、その仕事にかかわる人たちのことを考え、細かい配慮をする』ことは、ビジネスにおいて当然のことである」という意識が身に付いているため、深く考えなくても自然と「気が付く人」として考え、行動しているものなのです。

ただし、誰もが始めから、気が付く人であったわけではありません。上司など周囲の人からの指摘などを受けながら、「顧客、取引先、社内の人など、その仕事にかかわる人たちのことを考え、細かい配慮をする」ことを常に意識して業務に取り組んできたからこそ、自然に気が付く人として行動できるようになっているのです。

中堅社員が気が付く人を目指すためには、本稿で紹介したような点に注意しながら、「相手の立場で物事を考え、行動する」ことに継続的に取り組んでいくことが重要なポイントとなります。

以上

※上記内容は、本文中に特別なことわりがない限り、2016年2月29日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者 日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。 「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。

関連記事