知らないと損? 補助金・助成金のキホン

競争力のある会社にしたい 2020年12月11日

さまざまなケースで企業を支援する補助金・助成金

1)補助金・助成金の種類

国や地方自治体などでは、企業を支援するために補助金・助成金制度を設けています。例えば、国による企業に対する補助金・助成金を見ても、経済産業省以外でも、厚生労働省、文部科学省、環境省、総務省などの各省庁や、その外郭団体にもさまざまな補助金・助成金制度があります。

特に最近は新型コロナウイルス感染症のまん延を機に、多くの企業が補助金・助成金制度の活用を模索しています。代表的な補助金・助成金制度には次のようなものがあります。

もっとも補助金・助成金は、例えば「10件の申請の中から、審査を経て3件だけ採択される(補助金・助成金を支給する)」といったように、申請したからといって必ずしも受給できるとは限らないものと、「社員に対して定められた要件に該当する教育訓練を実施した全ての会社に補助金・助成金を支給する」といったように、定められた条件を満たせば受給できるものがあります。厳密な使い分けはされていないことも多いようですが、前者を「補助金」、後者を「助成金」とすることもあります。

ここではその定義に基づく「補助金」について紹介します。

2)補助金で全ての費用を賄うことはできない?

補助金の採択が決まっても、その事業に掛かる費用全額を補助金で賄うことができることはまれです。補助金には上限額が設定されていたり、「事業費の3分の2を補助」したりといったように、費用の一定割合のみ補助するとしているケースがほとんどです。

また、中には「補助金事業終了後の5年間に限り、利益が特定の限度を超えた場合、その利益の一部を返納しなければならない」といった返済規程が設けられていることもあります。実際には、補助金の対象は技術開発や新規事業化などを支援するものが多いため、返済規程に該当するケースはほとんどないようですが、規程の有無は確認しておきましょう。

3)採択が決まっても、資金調達が必要?

「補助金の採択が決まれば、資金負担が軽減できる」と考えがちですが、少し注意が必要です。最終的にはその通りなのですが、補助金は原則、後払いになります。事業実施後に報告書や証拠書類(証憑(しょうひょう)書類ともいいます)などを提出し、「正しく支出されているか」といった点について検査を受けた後に、初めて補助金を受け取ることができます。事業によっては、期中に補助金の一部を支払う(「概算払い」といいます。)場合もありますが、金額はその時点で支払い済みの経費に対する補助金額を上限とするのが一般的です。

そのため、補助金の採択が決まっても、必要な資金を一旦、自社で調達する必要があるのです。

役立つ補助金・助成金の見つけ方

1)インターネットを使って情報を収集する

国や地方自治体などでは、おのおのが所管する補助金の情報をウェブサイトで公開しています。そのため、情報収集にはインターネットを使うのが最も手軽な方法です。とはいえ、公開されているのは「自身が所管している補助金のみ」ということが多いので、上手に情報収集をしなければ、意外と手間が掛かります。

まずは、国や地方自治体などの補助金が横断的に掲載されているウェブサイトで概要を把握し、興味のあるものがあれば、所管する団体のウェブサイトを見たり、窓口となる部署に電話したりして詳細な情報を収集するとよいでしょう。横断的に掲載されているウェブサイトとしては、中小企業基盤整備機構「J-Net21」や中小企業庁「ミラサポPlus」などがあります。

2)窓口から情報を入手する

国や地方自治体など、補助金を所管する団体の窓口から入手することができます。経営全般に関するテーマであれば、都道府県等中小企業支援センター、経済産業省や中小企業庁、地方経済産業局、中小企業基盤整備機構などから必要な情報を入手することができます。また、都道府県や市区町村の商工担当課に問い合わせる、地域の商工会議所や商工会に相談するなどの方法もあります。

ただし、こうした窓口は原則として、自身が所管している補助金のみしか情報を持っていません。また、最近は「ワンストップ支援」などといって、中小企業支援の総合的な組織などもありますが、こうしたところでも、例えば、国が主体となっている組織であれば「地方自治体の補助金の情報がない」といったこともあるので、注意するようにしましょう。

3)専門家に相談する

公的機関から情報を入手する他にも、助成金について詳しい専門家に相談する方法もあります。例えば、経営に関するテーマであれば中小企業診断士に、雇用・人材のテーマであれば社会保険労務士に相談すれば、詳しい情報が得られます。また、取引のある金融機関や商工会議所・商工会の経営指導員に相談してもよいでしょう。

申請に当たってのポイント

1)公募要領をしっかり理解する

補助金に応募するときには、補助事業を行う目的や、審査基準など補助事業全般について記載されている公募要領をしっかりと理解することが大切です。当たり前のことのようですが、細かな規程などが記載されている公募要領は、読み慣れていない人にとっては、案外内容を理解するのは難しいものです。

公募要領では、補助事業を行う目的など、補助事業全般について解説しており、採択率を高めるために重要な審査基準も記載されています。もし分からない点などがあれば、補助金を所管する窓口に照会をするなどして、しっかりと理解するようにしなければなりません。

2)申請書は公募要領に沿って分かりやすく記載する

審査員は、数多くの申請書の中から補助金を支給する案件を採択します。その際には「補助金事業の目的や審査基準に合致しているか」という観点から評価します。こうした点は、公募要領に記載されているので、その内容を意識しながら応募申請書を作成することが大切です。なお、応募申請書を作成する際には、できるだけ審査基準に準じる表現で、定量的に記載することが評価を高めるポイントになります。

また、文章だけでは伝わりにくい点については、図表やイラストなどを用いるとよいでしょう。公募要領に沿った内容で、分かりやすく整理することで、自然と応募申請書の質も向上させることができます。

以上
(監修 株式会社アライブビジネス)

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2020年9月28日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。 「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。

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