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「理想の自分」は最高の師匠/朝礼スピーチ

競争力のある会社にしたい 2021年5月27日

「人の器」というものは、余裕がなくなったときに如実に表れるものです。時間や体力、気持ちなどに余裕があるときは誰でも他人に優しくなれますし、格好をつけることもできます。自分の安全が確保されているからです。一方、自分に余裕がないと、そうはいきません。自分のことで手いっぱいになり、周囲をフォローできなくなります。どちらも本当の自分ですが、自分というものがより顕著になるのは、余裕がないときでしょう。

本当の自分と真剣に向き合おうとすれば、現実と理想とのギャップに凹むかもしれません。それでも、周りの人は「ありのままの自分でいい。背伸びをする必要はない」と励ましてくれるでしょう。少し前まで私もそう思っていました。

しかし最近、私はこの考えを変えました。ここ最近、失敗続きで悔しい日々を過ごしてきたからです。仕事は思うように進まず、ミスを繰り返しました。また、世の中は自分が知らないことだらけだと再認識し、自分の無力さを思い知ったのです。プライベートでも、家族や友人の気持ちを理解できないばかりか、自分の気持ちもうまく伝えられないことが、もどかしくて仕方ありませんでした。

それでも私は、自分の実力を受け入れて諦める気にはなれませんでした。私には、理想の自分がいます。理想の自分は憧れの存在のようなものです。その憧れの自分になれるまで、私は、強気を貫き、格好をつけることにしたのです。

論語の中に、「これを仰げばいよいよ高く、これを鑽(き)ればいよいよ堅し」という一節があります。これは、孔子の弟子である顔淵(がんえん)の言葉です。顔淵にとって孔子は、仰ぐほど高い存在であり、また切り込もうとしても、とてもかなわない存在であることを示しています。弟子にとって、憧れの師匠を持つことは幸せであり、憧れる気持ちが、成長するための原動力でもあることを教えてくれる一節です。

私には師と呼べる人が何人かいますが、そうした人たちのエッセンスと、自分自身の憧れが合わさったのが理想の自分です。こう考えると、ある意味で理想の自分は最高の師匠ということになります。ですから私は、先の論語の一節にあるように、理想の自分への憧れを、自分が成長するための原動力にすることにしました。

皆さんはどうですか。何事も真剣に取り組んでいれば、自分の力不足を認識せざるを得ないことがあります。しかし、皆さんがイメージしているのは、「困難につまずいて凹んでいる自分」ではなく、「困難を乗り越えて晴れ晴れとしている自分」のはずです。

志がある限り、私たちは理想の自分を超えることはできません。理想の自分は仰げばいよいよ高い存在だからです。しかし、その背中を追いかけ続ければ、私たちは確実に前に進むことができます。大切なのは、何をするかです。往生際が悪くても理想を目指して進んでいきましょう。

以上

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