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ウサギとカメの「真の勝者」はカメではない?/朝礼スピーチ

競争力のある会社にしたい 2021年11月17日

皆さんは、童話の「ウサギとカメ」をどう思いますか。カメと競走したウサギが途中で昼寝して寝過ごし、負ける話です。真面目にコツコツ働く人は怠け者に勝る、との教訓が込められています。

しかし、私は、現代のビジネスから見ると、この教訓は違った視点で捉えられると考えています。今日はウサギとカメが我が社の社員だった場合、私がどのように考えるかをお話します。

まずは負けたウサギです。確かに寝過ごしたのは褒められたことではありません。しかし、その背景はどうでしょうか。ウサギの昼寝は、勝算に基づいた行為だったのではないかと私は思います。カメとの走力の差、ゴールまでの距離などを計算した上で、昼寝をしても「カメに競走で勝つ」という目標は達成できると判断していました。そして、想定以上に寝過ごしたウサギは、自分のミスを取り返そうと必死に追いかけます。負けた後には、じだんだを踏んで悔しがっています。

ビジネスの世界では、勝負は1回きりではありません。ウサギはこの悔しさをバネに、次の競走では全力で取り組むでしょう。負けたウサギを、私は「結果は自分で認識しているはず。いい勉強になっただろう。次の競走で挽回して、周りの信頼を取り戻しなさい」と激励します。

実は私は、負けたウサギよりも勝ったカメのほうが問題だと思っています。果たしてカメには、「自分が勝てたのは、たまたまウサギが油断してくれたからだ」という自覚はあるのでしょうか?

まず、ウサギと競走をしたこと自体が問題です。カメが自分の強みと弱みを認識していれば、ウサギに「君は足が遅いね」と挑発されても、冷静に「足は遅いですが、泳ぎは得意ですし、硬い甲羅もあります」と応じたはずです。ウサギとの競走で、カメに勝算があったとは思えません。

当社が納入先から、同業他社を引き合いに、極端に低い納品価格を求められた場合を考えてください。当社製品の品質の高さを強調せず、価格競争に応じる社員がいたら、私は頭を抱えます。

カメの問題はまだあります。カメはスタート直後にはウサギとの実力差を認識したはずです。なのに、カメは何の対策も立てようとせず、危機感を持つことなくマイペースで歩き続けています。私には理解できない行動です。

仕事であれば、その時点で上司に報告し、対策を検討し改善するのが当然です。勝てる可能性とつぎ込む労力を勘案して、競走の中止も考えるべきです。私なら、カメには猛省を促します。

カメのように、同じことをコツコツ続けさえすればよかったのは、仕事のやり方に工夫の余地が少なかった、まさにおとぎ話の時代の話です。今のビジネスは、そうではありません。社員一人ひとりがどうすれば最も効率よく結果を出せるか、アイデアを形にできるか、常に考えながら仕事をしなければ、競争には勝てません。私から見ればカメは、見習うべき存在ではなく、反面教師なのです。この話、皆さんはどう考えますか?

以上

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