この記事のタグ: 朝礼 部下育成

「お客様への愛情」から考える、力の抜きどころ/朝礼スピーチ

競争力のある会社にしたい 2021年10月8日

今日は、入社3~5年目の中堅社員の皆さんに集まってもらいました。新入社員の頃は右も左も分からなかった皆さんも、今では当社の重要な戦力です。私はそんな皆さんを信頼し、以前よりも多くの仕事、難しい仕事を任せています。しかし、その変化に対応しきれず、予定通りに仕事をこなせていない人もいるようです。今日はそんな皆さんに、仕事の進め方のヒントになる話をします。

皆さんは「鉄腕アトム」の作者、手塚治虫さんをご存じですか? 手塚さんは、漫画家であると同時に「虫プロダクション」というアニメ制作会社の経営者でもありました。まだ日本にアニメが浸透していなかった時代、手塚さんは鉄腕アトムを動画にしたいと考え、会社を興したのです。

しかし、課題がありました。アニメは通常、一枚一枚の絵を組み合わせることで、キャラクターが動いているように見せるのですが、当時の技術では、絵を大量に制作するために多くの時間が必要でした。映画のような単発の作品であればともかく、鉄腕アトムは毎週1回のテレビ放映、制作にそれほど多くの時間は掛けられません。

そこで手塚さんは、1度使用した絵を保管し、違うシーンで使い回すことで、絵の制作時間を大幅に削減する手法を編み出しました。ストーリーの面白さなどには徹底的にこだわりつつ、それ以外の要素をうまく省力化したことで、鉄腕アトムのアニメはスケジュールの課題をクリアし、なおかつ視聴者からも熱狂的に支持されたのです。

これは、皆さんにも必要な考え方です。皆さんは全ての仕事に対し、常に100%の力で取り組もうとしていませんか。それは理想ですが、仕事の量や質のレベルが上がると、自分の力をうまく配分しなければ、全ての仕事を予定通りにこなすことは難しくなります。では、何を基準にして力を配分すべきなのでしょう。その答えは、「お客様が何を求めているか」にあります。

仕事にはさまざまな要素があります。鉄腕アトムのアニメであれば、ストーリーの面白さ、絵の美しさなどが考えられます。仮に視聴者が求めているのがストーリーの面白さならば、それには100%の力で取り組みますが、他は必ずしも100%の力で臨む必要はありません。期待値が高くない要素に注力したために、ストーリーの面白さが損なわれれば、鉄腕アトムを毎週楽しみにしている視聴者の期待を裏切る恐れがあるからです。

皆さん自身は注力すべきことを把握していますか。お客様に愛情を持って向き合っていれば、それは分かるはずです。私がいう愛情とは、お客様の役に立ちたいと考え、定期的に連絡を取ってニーズを聞き出し、それに応える努力をするという意味です。

注力すべきことが明らかであれば、時間が足りずに「与えられた仕事に追われる」のではなく、「価値ある仕事を生むために、マネジメントする」という新たなステージに立つことができます。ぜひ、そのステージを目指してください。

以上

関連記事