この記事のタグ: 健康管理 健康経営®

【企業向け】健康管理クラウドシステムの比較9選

競争力のある会社にしたい 2021年8月25日

「従業員の健康を管理するにはどうしたらいいの?」
「健康診断以外で従業員の健康増進につながる取り組みはあるの?」

このようなお悩みを抱える経営者は多いのではないでしょうか。

生産性向上のためには、従業員の健康管理が必要不可欠です。しかし、適切な人材や予算が確保できない場合、健康管理への取り組みにも限界があるでしょう。

結論から言うと、限られたリソースの中で健康管理に取り組むには、従業員の健康状態を見える化し、システム上で管理ができる健康管理クラウドシステムの導入が有効です。

この記事では、さまざまな健康管理クラウドシステムの中から9つを選定し、それぞれのサービスの概要や機能、導入にかかる費用などを比較していきます。自社にとって、どの健康管理クラウドシステムが適しているのかを検討する一助になれば幸いです。

企業向けのおすすめ健康管理クラウドシステム

1)毎日の健康状態を可視化してくれる「Fitbit」

1.サービス概要
Fitbitは、腕時計型のデバイスを装着することで、歩行数や心拍数、睡眠時間、食事、消費カロリーなどのデータを簡単に記録・グラフ化できます。

また、ランニングや水泳、ヨガなど20種類のエクササイズのデータを記録する機能も備わっており、心拍数や消費カロリー、経過時間などを画面上にリアルタイムで表示することができます。

活動データを集約し、クラウドにアップロードすることで、他の端末でもデータの参照が可能です。

2.運営会社
Fitbit, Inc.

3.導入コスト
Fitbitには、アプリや音声機能といった多機能型のウォッチタイプと、心拍数の記録といった必要最低限の機能に絞ったトラッカータイプがあり、さまざまなカラーデザインから選ぶことができます。

  • ウォッチタイプ 1万9990円から
  • トラッカータイプ 子ども向け9490円から、大人向け1万7991円から

4.運用コスト
なし
個々人に合った分析などを提供する「Fitbit Premium」に登録する場合、月額640円/年額6400円

導入コスト、運用コストについては、下記サービスウェブサイトの2021年7月27日時点の情報を参照しています。実際の費用については、運営会社等にお問い合わせください。

■Fitbit■
https://www.fitbit.com/global/jp/home

2)データの見える化で健康課題を抽出できる「Carely」

1.サービス概要
Carelyは、従業員の健康情報(健康診断、ストレスチェック、過重労働など)を一元管理し、未受診者やハイリスク者を自動抽出できます。組織の健康状態を見える化し、客観的に分析することが可能になります。

管理画面で、健康診断といった健康に関する法定業務を管理できる他、ストレスチェックのリマインド送信や産業医面談候補者の自動抽出など、これまでアナログで行っていた各種業務を、システム上で効率的に進めることが可能です。

2.運営会社
株式会社iCARE

3.導入コスト
導入費用はクラウドプランで月額費用3カ月分、ベーシックプランとプラスプランで1000円×従業員数となります。

4.運用コスト
Carelyでは次の3つのプランが用意されています。

■Carely■
https://www.carely.jp/

3)産業保健スタッフの業務効率化をサポートする「H.S.S. ヘルスサポートシステム」

1.サービス概要
H.S.S.ヘルスサポートシステムは、従業員の健康管理に必要な健診データ、就労データ、ストレスチェックデータの3つの情報を一元管理できます。同システムのウェブサイトによると、2021年2月18日時点で、800社以上に導入され、契約アカウント数は70万人を超えています。

クラウドを通して、従業員と産業保健スタッフが同じ健康データを参照することで、情報の共有や双方のコミュニケーションを効率化できます。

また、ストレスチェックをウェブ上で受検できる機能や、Zoomに連携してオンライン面談できる機能など、テレワークに対応した機能が多数用意されていることも特徴です。

2.運営会社
ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社

3.導入コスト
要見積もり

4.運用コスト
スタンダードプランとプレミアムプランが用意されています。スタンダードプランでは従業員1人当たりの月額約90円(注)で利用できます。
(注)従業員数2000人の場合

■H.S.S ヘルスサポートシステム■
https://wellcoms.jp/service/support/hss/

4)従業員の健康状態を多角的に分析できる「newbie」

newbieは、ストレスチェックや健康診断に関する業務をデジタル化できるツールです。ストレスチェック機能は最短1週間で導入可能です。

1.サービス概要
newbieは、バラバラに管理していた従業員の健康診断やストレスチェックの結果といった健康情報をデータ化し、クラウドで一元管理することで、人事・労務担当者の業務効率を改善できます。

クラウド上に保存された健康診断やストレスチェックの結果は、 労働基準監督署へ提出する報告書の各項目に自動的に転記されます。

また、従業員の健康状態を部署や年度ごとに分類し、条件別に分析することもできるため、自社の健康課題を検証し、新たな施策を検討する際に役立ちます。

2.運営会社
株式会社マイクロウェーブ

3.導入コスト
初期費用は各プランによって異なる他、1000人以上になった場合、別途一律料金になります。

4.運用コスト
次の4つのプランが用意されています。

■newbie■
https://newbie.jp/

5)従業員の疾患の発症リスクを予測・分析できる「Verify」

1.サービス概要
Verifyは、健康診断の診断票の記載内容や問診項目から、従業員の発症リスクを高い精度で予測することが可能です。韓国の延世大学校医療院と、日本にあるAI(人工知能)の専門企業イノルールズAIによって共同開発されました。

従来の健康管理では、研究者の経験や限られたサンプルに頼った予測が行われていましたが、Verifyでは発症リスクの予測にビッグデータを使用。AIが予測・検証を行うことで、よりデータに基づいた発症リスクの予測が可能になっています。

発症リスクの予測は、生活習慣病や6大がん、アルツハイマーなどさまざまな疾患をカバーしています。従業員の発症リスクはそれぞれパーセントで表示され、システム利用者が視覚的に理解しやすいデザインになっています。

2.運営会社
エスコ・ジャパン株式会社

3.導入コスト
要見積もり

4.運用コスト
要見積もり

■Verify■
https://www.escco.co.jp/Verify/

6)シンプルで使いやすい健診データ管理システム「Lite」

1.サービス概要
Liteは、シンプルな操作性、誰にでも理解できるようなシステム設計で、専門的な知識がなくても使いやすい健診データ管理システムです。健診機関によって異なる基準値を統一して自動判定するなど、従業員の健康状態を判断する際に便利な機能も備わっています。

これまで紙の個人カルテを探す手間がかかっていたり、健診データをエクセルで管理したりしていた場合、これらの業務をデジタル化することで、産業保健スタッフの事務作業を削減できます。

2.運営会社
株式会社エヌ・エイ・シー

3.導入コスト
導入初年度の費用

  • オンプレミス 150万円から
  • プライベートクラウド(従業員1万人の場合) 250万円から

4.運用コスト
要見積もり

■Lite■
https://www.nac-care.co.jp/service/hc_02.html

7)従業員の健康状態をリアルタイムで把握できる「コンレポ」

1.サービス概要
コンレポは、簡単な操作で従業員の健康状態をデータ化・見える化し、検索・集計することができます。パソコンはもちろん、スマホからでも情報を入力、確認、検索することが可能です。

導入時は面倒なアプリのインストールや初期設定作業が必要なく、ネット環境とブラウザさえあれば最短3営業日で稼働させることができます。

また、従業員の健康状態をリアルタイムで把握する機能に特化しており、従業員の体温や体調をすぐに集計・レポート出力することができます。従業員からの体調不良の報告が、直属の上司に自動でメール送信されるなど、ツールを使って健康管理が可能になります。

2.運営会社
株式会社ミライト

3.導入コスト
10万円(税別)

4.運用コスト
月額利用料金は従業員数によって異なります。

■コンレポ■
https://www.mrt.mirait.co.jp/solution/conrepo/

8)プロの産業医が設計コンサルティングする「さんぽカルテ」

1.サービス概要
さんぽカルテは、日本産業衛生学会指導医が設計した健康管理システムで、従業員の労働時間や保健指導の内容、メンタルなどに関する面談記録をデータベースに保管し、システム上で一元管理することができます。
個人画面では、各従業員への対応履歴が記録されており、個人の属性や面談内容、月の労働時間などを一目で把握できます。特に対応が必要な従業員には、個人画面にて対応履歴を参照して、今後の対応を検討することができます。

また、文書管理機能では、紹介状や産業医意見書などをシステム上で作成することが可能です。これまで紙で作成をしていた企業は、文書のデジタル化も同時に進めることができます。

自社に合わせてカスタマイズすることも可能で、社内規程で定められた社内文書の様式を、そのままシステム上でデジタル化できます。

2.運営会社
あやとりシステム株式会社

3.導入コスト
参考価格として、以下の料金が掲載されています。

4.運用コスト
要見積もり

■さんぽカルテ■
https://ayatorisystem.com/sanpo-karte/

9)生涯健康管理システム「ヘルスデータバンク」

国の法改正や制度変更にも迅速に対応しており、世の中の状況に合わせて頻繁にアップデートされるため、長い間安心して使うことができます。

1.サービス概要
ヘルスデータバンクは、産業保健業務に必要な機能の他、生活習慣病や休職等のリスクをAIが予測する機能や、組織ごとの健康状態を可視化するダッシュボード機能、従業員(個人)が自分の健康状態を管理できる機能などを利用できます。

また、健康管理システムを導入するに当たっての課題である、「健診機関ごとに健診データの形式が異なる」という点についても、ヘルスデータバンクは、これまで約2000健診機関とデータ形式の調整実績があり、さまざまな健診データを統一形式で管理することが可能です。

維持管理は、運営会社に任せることができるためメンテナンスフリーであり、バージョンアップも自動で行われるなど、日々の運用に手間がかからない点も特徴です。

2.運営会社
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ

3.導入コスト
要見積もり

4.運用コスト
ベーシックプラン、ライトプラン(健診)、ライトプラン(メンタル)
年間の利用料は人数課金(従量制)で、いずれも要見積もり

■ヘルスデータバンク■
https://www.healthdatabank.ne.jp/hp/

企業向け健康管理クラウドシステム比較のポイント

自社にとって最適な健康管理クラウドシステムを選ぶ際には、次のようなポイントに注意しましょう。

1)自社の課題解決に対応した機能を備えているか?

システムを選ぶ際には、従業員の健康課題解決に対応できる機能が備わっているかをチェックする必要があります。例えば、単純に健康診断結果をデジタル化して管理したいだけなのか、組織として特定の健康課題を抽出し施策を実行したいのかによって、システムに求める機能は変わってくるでしょう。

2)自社の従業員数に適しているか?

自社の従業員数に適しているかどうかもシステムを選ぶ際の重要なポイントです。システムによっては従業員数に応じて料金やグレードが異なるため、システムのスペックが日常的な運用に耐えられるか考慮する必要があります。

3)システムのセキュリティ対策は万全か?

セキュリティについても、システム導入前に比較検討しておきたいポイントです。健康管理システムは、従業員の大事な個人情報を日々扱うことになります。特定の部署、担当者に限定した操作・閲覧ができるアクセス制限機能など、必要なセキュリティ機能を備えているかもチェックしておきましょう。

4)導入実績は十分にあるか?

導入実績が十分にあるかどうかも、システムを選ぶ際のポイントです。人気の健康管理クラウドシステムであれば、数百社以上の導入実績を誇るシステムも存在します。導入実績はサービスが高品質であるかどうかの一つの指標になります。システムのウェブサイトなどを確認し、導入実績を確認してみましょう。

健康管理クラウドシステムでできること

一般的な健康管理クラウドシステムは、主に次のような機能を備えています。

  • 健康診断の予約や予約管理
  • 健診結果や面談記録等をデータで一元管理
  • 健診のリマインド
  • 提出&報告書類などの作成
  • 勤務状況の可視化
  • 産業医面談候補者の自動抽出
  • ストレスチェックの点数の可視化

健康管理クラウドシステムでは、健康診断の予約、結果の管理や可視化など、健診に関する一連の業務をシステム上で一元管理・実施できます。

また、健康管理に関する報告書類の作成、その後の申請・確認などもシステム上で行えるものがあり、既存業務の流れを明確化できます。

さらに、産業医面談の候補者をリスト化し、面談内容を個人単位で記録できることも健康管理クラウドシステムの大きなメリットです。

これらの機能を通じて、従業員の健康状態のチェックから改善までを行えば、健康経営に関するPDCAサイクルを確立することができるでしょう。

健康管理クラウドシステムの費用相場

健康管理システムは、あらかじめ用意された設定やオプションを利用するクラウド型と、自社にシステム環境を構築してカスタマイズや管理を行うオンプレミス型で、大きく費用が異なります。一般的には、オンプレミス型のほうがクラウド型よりも費用がかかる傾向にあります。

また、クラウド型の中でも、利用する従業員の数や、オプションの追加によって費用相場は変動します。

導入コストは、本記事で紹介したようなクラウド型の場合、1人当たり数百円~数千円で、1000人規模の企業で比較しても10万円~100万円と幅が広いため、検討しているシステムの機能が本当に必要なものかチェックする必要があるでしょう。

ちなみに、オンプレミス型の場合は、100万円~数百万円が費用相場といわれます。

運用コストは、1人当たりの月額費用は数百円~数千円になります。従業員が1000人規模の企業の場合、月額30万円前後が費用相場といえるでしょう。

ちなみに、オンプレミス型の場合、保守費用として数十万円かかるといわれます。

従業員の健康管理は、将来の労務リスクを最小限にするために必要な経営戦略の一つです。月々の費用を抑えられるクラウド型健康管理システムは、組織のリスクを抑制してくれるコストパフォーマンスの高いツールといえるでしょう。

以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2021年7月29日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。 「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。

関連記事