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2016年3月15日

労働基準法が改正されたら有給休暇はどう変わる?

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低迷する有給休暇の消化率。政府の次の一手は法改正?

有給休暇は労働基準法で定められた休暇制度の一つで、年次有給休暇や有給などと呼ばれます。バースデー休暇など、賃金が支払われる休暇も「有給」と呼ばれますが、労働基準法上の有給休暇とは別物です。

有給休暇は、社員が疲労回復し、心身共にリフレッシュするために重要なものですが、消化率は低く、2014年は47.6%にとどまります(厚生労働省「就労条件総合調査」)。政府は「仕事と生活の調和推進のための行動指針」において、2020年までに有給休暇の取得率70%を目指していますが、状況は好ましくありません。

こうした状況を改善すべく、現在、労働基準法の改正が検討されています。この改正で実現しようとしているのは、一定の有給休暇を半ば強制的に消化させようというものです(詳細は後述します)。

有給休暇の消化促進を含む働き方革命はますます進むと考えられるため、経営者は今のうちから情報を収集しておく必要があります。そのような経営者の一助となるように、本稿では2016年の労働基準法案も踏まえた有給休暇のポイントを解説します。

7つの基本で押さえる有給休暇

1)有給休暇の発生要件

有給休暇の発生要件は、「継続勤務」と「出勤日数」の2つです。以下で確認してみましょう。

1.「継続勤務」要件:雇用の日から起算して6カ月間「継続勤務」
継続勤務とは、在籍期間のことです。これが満たされているか否かは、労働契約の実態などから判断されます。例えば、6カ月の有期労働契約を1回更新したことで在籍期間が12カ月となった場合、継続勤務は12カ月と考えるのが基本です。

2.「出勤日数」要件:対象となる期間の「出勤日数」が全労働日の8割以上
全労働日とは、期間中の暦日から就業規則などに定められた所定の休日などを除いた日数を指します。なお、遅刻・早退については、有給休暇の算定上、出勤日となります。

2)有給休暇を取る理由

前述した要件を満たした社員には、当然に有給休暇の権利が発生します。そのため、社員が有給休暇を請求する行為は、有給休暇の「取得願い」ではなく「時季の指定」であると考えられています。

しかし、実際は「自分が有給休暇を取ると、他の社員に迷惑がかかってしまう」「上司がいい顔をしないので……」などと考え、有給休暇を請求しにくいと感じている社員が多いようです。こうした社員が頭をひねるのが有給休暇を取るための理由です。中には、「田舎から家族が上京する、役所に届け出をしなければならない、家族が体調を崩した……」など、職場に波風が立ちにくい“お決まり”の理由を紹介しているウェブサイトもあるほどです。

繰り返しになりますが、有給休暇は社員に認められた権利であり、実際には「なぜ、有給休暇を取るのか?」の理由を詳細に会社に伝える義務はありません。

3)有給休暇の時季を決めるのは社員か会社か?

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