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健康経営エキスパートアドバイザーとは? 制度と研修内容について

旬な話題を知りたい 2021年7月2日

健康経営エキスパートアドバイザーとは

健康経営エキスパートアドバイザーとは、東京商工会議所が行っている認定資格で、健康経営アドバイザーの上位資格です。両者は、いわば健康経営の実践支援の分野におけるアマチュアとプロといえます。

・健康経営アドバイザー

健康経営の必要性を伝え、実施へのきっかけをつくる人材

・健康経営エキスパートアドバイザー

健康経営に取り組む企業に対して、課題の抽出・改善提案・計画策定などの実践的な支援を行う専門家

健康経営エキスパートアドバイザーは、企業経営、関連法規、保健事業、先進事例などに関して一定の知識を有している必要があります。そのため、健康経営アドバイザーが誰でも資格を取得できるのに対し、健康経営エキスパートアドバイザーは一定の要件をクリアした人だけが資格を取得できます。
上位資格というだけあり、健康経営アドバイザーに比べると試験の難易度は高く設定されています。2020年時点の認定者数は、健康経営アドバイザーが1万4777人に対し、健康経営エキスパートアドバイザーは1303人で、狭き門となっています。

どのような人が健康経営エキスパートアドバイザーを目指すのか

健康経営エキスパートアドバイザーになるためには、まずは健康経営アドバイザーの資格を取得する必要があります(注)。

(注)健康経営アドバイザーの取得方法やメリットについては、次の記事で紹介しています。

■健康経営アドバイザーとは? 従業員が取得するメリットと取得方法■
https://www.ganbarusite-daido.jp/report/personnel/bp300061/

その上で、所定の有資格者か、もしくは所定の実務経験があって、初めて健康経営エキスパートアドバイザーになるための研修を受講することができます。

・所定の有資格者

中小企業診断士、社会保険労務士、医師、保健師、看護師、労働衛生コンサルタント、管理栄養士、健康運動指導士

・所定の実務経験者(次のような実務におおむね1年以上関わっていること)

医療保険者・医療機関・健診機関などでの勤務経験、経営者本人または経営企画など企業経営に従事していた経験、人事担当者・労務管理担当者として従事していた経験、健康経営の普及や支援に携わっていた、企業などで実践に関わっていた  など

健康経営エキスパートアドバイザーを取得する目的について、東京商工会議所へのヒアリングによると、「中小企業診断士や社会保険労務士といった士業の人が、自身の業務の幅を広げるためだったり、企業の経営者や人事労務担当者などが自社で健康経営に本腰を入れるためだったり、ヘルスケア商品・サービスを扱っている企業の営業担当者が顧客に対して付加価値を提供するためだったりと、さまざまなケースがある」(2021年6月22日時点)とのことです。

健康経営エキスパートアドバイザーの取得方法

研修は東京商工会議所が年に2回実施しており、「知識確認テスト」「ワークショップ」の2つの試験に合格する必要があります。

1)知識確認テスト

申し込みをすると、「健康経営アドバイザー・エキスパートアドバイザー共通テキスト」と「知識確認テスト予習問題集」が届きます。試験はこのテキストを出題範囲として、多肢選択式50問90分です。
知識確認テストはCBT方式(注)で、全国260カ所のテストセンターのパソコンで受験でき、会場や日時は申し込み時に選択できます。正答率おおむね80%以上で合格となり、ワークショップに申し込むことができます。
知識確認テストの受講料は、7700円(税込み、テキスト発送無しの場合は5500円)です。

(注)CBT方式とは、「Computer Based Testing(コンピューター ベースド テスティング)」の略称で、コンピューターを使った試験方式。全国のテストセンターのパソコンで、基本的に好きな日時に受験でき、受験申し込みから試験実施、合否通知まで、試験の全工程がインターネット上で完結する。

2)ワークショップ

ワークショップは会場で5~6人程度がグループとなり、1日がかりで実際のケーススタディーを基に課題を抽出したり、健康経営診断報告書の作成を行ったりするものです。
クライアント役とアドバイザー役とに分かれ、ヒアリングシートを用いてヒアリングを行い、課題を洗い出します。個人ワークやグループワークを通して事例企業の改善提案を検討し、健康経営診断報告書を作成します。このワークショップで、ヒアリングスキル(必要な情報の収集力)や、健康経営の実践支援のための具体的な助言・提案力を習得します。

後日、ワークショップとは別の事例企業の情報に基づいて、健康経営診断報告書を作成します(ワークショップの効果測定)。期限までに事務局に提出し、正答率おおむね80%以上で合格となり、晴れて「健康経営エキスパートアドバイザー」として認定されます。
ワークショップの受講料は、2万2000円(税込み)です。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、2021年9月に行われる第6回ワークショップは、オンライン(Zoom)で開催される予定です。

■東京商工会議所「健康経営エキスパートアドバイザー研修とは」■
https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/04/

健康経営エキスパートアドバイザーを取得後にできること

健康経営エキスパートアドバイザーを取得すると、名刺に「健康経営エキスパートアドバイザー」と明記でき、希望者は東京商工会議所のウェブサイトに掲載されます。所属している企業名や、企業のウェブサイトのURLも記載できるため、健康経営に関する商品・サービスを扱っている企業であれば、自社の宣伝につなげることもできます。
東京商工会議所へのヒアリングによると、「経済産業省が健康経営絡みでセミナーなどをする際には、『健康経営エキスパートアドバイザー一覧ページに全国のアドバイザーが掲載されている』と言ってもらっている。また、各自治体が健康経営絡みの事業を始めたり、検討したりする際には、一覧ページを参考に地元のアドバイザーに直接アプローチすることもある」(2021年6月22日時点)とのことです。

■東京商工会議所「健康経営エキスパートアドバイザー一覧」■
https://www.tokyo-cci.or.jp/kenkokeiei-club/05/

また、社内の健康経営を推進するために健康経営エキスパートアドバイザーを取得させた場合でも、社内での健康経営が一段落した後、その人を他社へ派遣したり、講演会を開かせたりして、他社の健康経営のお手伝いをさせるといったケースもあるようです。

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以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2021年6月29日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者
日本情報マート

中小企業の頼れる情報源として、経営者の意思決定をサポートするコンテンツを配信。 「開業収支」「業界動向」「朝礼スピーチ」など2000本を超えるコンテンツを有するほか、年間200件以上の市場調査も行っている。現在、50を超える金融機関に情報提供を行っている。

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