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オフィスでおやつを食べるときはご注意を! 健康によいおやつの種類と食べ方

旬な話題を知りたい 2021年12月1日

広がる「おやつ」習慣

「おやつ」と聞くと気分が上がります。社員に息抜きをしながら楽しく働いてもらおうと、「オフィスコンビニ」や「オフィスグリコ」などの「オフィス向けおやつサービス」を導入する企業も増えています。一方、社員から見ると、オフィスのおやつは悩ましい存在です。「おやつはやめられないけど、健康によくないのでは」というジレンマがあるからです。

そこで、この記事では、オフィスでおやつを食べることをやめられない人のために、健康によいおやつの種類と食べ方を紹介します。

おやつを食べることはよいことなの?

まずは、おやつのメリットとデメリットを考えてみましょう。

おやつを食べたとき、人は「うれしい」と感じ、心がほっこりします。このように、おやつのメリットは心をほっこりさせること。言い換えれば、おやつは心の栄養だといってもよいでしょう。心の栄養ですから、おやつは見てうれしい、食べておいしいというものが求められます。おやつとして、ショートケーキやマカロンといったSNS映えするスイーツが喜ばれる理由は、この2つの条件を見事に満たしているからです。

一方、これらのスイーツは高エネルギー・高脂質・低ビタミンであり、日本人の食生活で摂取しやすい栄養素がたっぷり入っています。そのため、肥満を招きやすく、「おやつは健康によくない」ということになってしまいます。これがおやつのデメリットです。
そこで、太りにくく体に必要な栄養素を多く含む食品を選び、食べ方を工夫すれば、おやつのメリットを大きくし、デメリットを小さくすることができます。

おやつは何時に食べるといいの?

子どもたちのおやつが午後3時に設定されているのは、子どもは胃が小さく、成長に欠かせない栄養素を3度の食事だけでは賄いきれないため、食事以外のタイミングでの補給が必要だからです。しかし、食事以外のタイミングで栄養素を補給できるものを食べてしまい、食事が食べられなくなってしまっては意味がありません。そこで、昼食と夕食の間の時間が長いため、その真ん中の時間となる午後3時ごろにおやつを食べることで栄養補給をするのです。

大人は3度の食事で必要な栄養素を摂取することが可能なので、午後3時のおやつは基本的には不要です。ですが、「雀百まで踊り忘れず」の言葉の通り、子どもの頃におやつを食べていた経験と、「おやつはよいもの、楽しいもの」という記憶から、おやつを食べたいと思ってしまう人も少なくありません。そして、おやつを食べてしまうことによって、肥満や生活習慣病を発症するなど健康に悪影響を与えることもあります。「大人はおやつを食べないほうがよい」といわれるのは、そのためです。

しかし、大人であってもおやつの健康的な食べ方があります。それは、食事と食事の間の時間が長く空いてしまうときのおやつです。
例えば、「仕事が立て込んで残業になってしまう」という場合、残業後に自宅に帰って夜10時すぎから夕食を取ると、夕食でなく「夜食」になってしまいます。仮に昼食を12時からの昼休みに食べたとすれば、約10時間、ほとんど何も食べずに過ごすことになります。こうなると、「あとはもう寝るだけ」であっても、空腹に勝てずに「夜食」をドカ食いしてしまいがちです。これでは、せっかくおやつを我慢したのに、逆効果になってしまいかねません。

このような場合は、おやつの出番です。食べる時間は、昼食を食べた時間と夕食を食べられそうな時間のちょうど真ん中の時間が理想的なのですが、仕事中であることも多いと思うので、「業務時間が終了し、残業に突入する直前」の時間がオススメです。そのタイミングであれば、「ちょっと休憩を取ろう」と言いやすく、「おやつタイム」として最適ではないかと思います。
また、「社員同士のコミュニケーション」などのために、「おやつタイム」を取っているという企業もあるかもしれません。その場合は、いつも同じ時間におやつを食べるとよいでしょう。

食事とおやつを食べる時間を常に一定にすると、消化器官が「そろそろ食べ物が入ってくる頃だ」と覚え、消化の準備を始めます。消化の準備ができている状態で食べれば、消化の準備ができていない状態で食べてしまうときよりも、体への負担が少ないのです。
今回はおやつの話ですので、余談にはなってしまいますが、食事の時間もできるだけ毎日、同じ時間になるようにすると健康に有益です。

健康的なおやつとはどんなものか?

1つ目に考えられるのは、通常の食生活では摂取しづらい栄養素を含んだ食品です。日本人の一般的な食生活で、エネルギー源・脂質源は比較的、摂取しやすい栄養素です。その一方、ビタミン類やミネラル類は、意識して摂取しなければ不足しがちな栄養素です。そこで、せっかくおやつを食べるのであれば、ビタミン類やミネラル類が豊富な食品を選ぶと、健康的であるといえます。

例えば、次のようなおやつであれば、会社の机の引き出しに常時入れておき、疲れてしまったときに一口だけ食べると、健康に悪影響を与えにくいといえるでしょう。

昆布類、ナッツ類、干し芋

また、近くのコンビニやスーパーへ行けるのであれば、次のような食品を購入するとよいでしょう。

カップヨーグルト、カットフルーツ、わかめスープ

これらはビタミン類やミネラル類を豊富に含んでいるので、おやつとしてオススメできます。社員同士のコミュニケーション用のおやつにも、これらのビタミン類やミネラル類を豊富に含む食品を選ぶようにすると、社員の健康増進にも寄与できそうです。

2つ目は、先ほどお話しした、昼食と夕食の間の時間が大きく空いてしまうことが予想されるときに、夕食に食べすぎてしまうことを防ぐための「軽食」としてのおやつです。夕食を先に半分食べておくとイメージすると分かりやすいのですが、手軽に食べてエネルギー源になる、次のような食品を選びましょう。

おにぎり、サンドイッチ、バナナ

そして、夕食の際は「おやつで夕食を半分食べた」ことを忘れないようにします。昼食と夕食の間の時間が大きく空いてしまうということは、ほとんどの場合、夕食が「夜食」といってもよいような時間になっているものです。食後は眠るだけのことも多いと思いますので、空腹を感じないのであれば、夕食は食べずに就寝してもかまいません。

ただし、「どうしても空腹で眠れない」「寝る前にはちょっとだけつまみを食べながらビールを1本だけ」という場合には、野菜の煮物やサラダなどを少量だけ、よくかんでゆっくり食べてから就寝しましょう。

「どのくらい」食べるといいの?

先ほどもお話ししたように、大人のおやつは、子どものように「1日に必要な栄養素の一部をおやつで補う」ものではありません。体の栄養を摂取するというよりは、「心の栄養」としての側面が大きいといえます。
そこから考えると、「できるだけ少なくする」ことが理想です。実際、社員同士のコミュニケーションとしてのおやつであれば、エネルギー源や栄養素量が不足しているわけではありませんので、場が和やかになる最小限度の量にとどめるのがよいでしょう。

ただし、昼食と夕食の時間の間が空いてしまう場合のおやつは、エネルギーや栄養補給の目的を持っています。いわゆる「軽食を取る」イメージで、おにぎりなら1個、サンドイッチは小さいものを1パック程度、バナナは1本程度が目安になります。夕食がかなり遅くなってしまうと予想される場合には、もう少し量を増やしてもよいかもしれません。

いずれにしても、満腹だと感じるほどの量を食べると、食べすぎになってしまいます。おやつに選ばれる食品は、軽食も含めて、味や食感がよく、食が進みやすいものが多いので、食べすぎには注意が必要です。

特例中の特例 ピンチのときのおやつ

おやつは心の栄養と説明しましたが、実は仕事の効率が落ちてしまった際の「カンフル剤」にもなります。この方法は仕事や勉強などで疲れてしまったときに、劇的に疲労を回復することができますが、体を壊しやすい方法でもあるので、使ってもよいのは1年に1度か2度まで。本当にピンチのときだけです。
この方法は簡単で効果があるだけに、中毒性も高いという問題があります。「1週間に1度、上司への報告書を書く際に使う」といった、小さなピンチ程度で使うのは絶対に避けてください。

食べるものは、チョコレート1片(十円玉サイズ)、または駄菓子のラムネを十円玉サイズくらいの量だけです。
これらのおやつは糖質が多く含まれているので、血糖値を急激に上昇させる働きがあります。血糖値が上昇すると、脳に血液が届きやすくなるため、一時的に疲れを忘れることができるのです。そのため、仕事の効率は上がりますが、血糖値を急上昇させることによって疲れを感じさせなくしているだけですから、健康には決してよい方法ではありません。

ただし、究極のピンチを救ってくれる方法であることも事実なので、最後の手段として覚えておくとよいかもしれません。

大人にとってのおやつは、心の栄養として、不規則になりがちな食生活を改善するための一つの方法として役立ちます。「大人のおやつは悪」と決めつけず、上手におやつを利用したいものですね。

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以上

※上記内容は、本文中に特別な断りがない限り、2021年10月13日時点のものであり、将来変更される可能性があります。

執筆者:平井 千里(ひらい ちさと)

平井 千里

管理栄養士。小田原短期大学食物栄養学科 准教授。女子栄養大学栄養科学研究所客員研究員。All About 実践栄養ガイド。女子栄養大学大学院 博士課程修了。名古屋女子大学 助手、一宮女子短期大学 専任講師を経て大学院へ進学。肥満と栄養摂取の関連について研究。前職は病院栄養科責任者(栄養相談も実施)。現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養情報を発信。

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